未曽有の需要蒸発を引き起こした新型コロナウイルス禍を経て、航空大手がサービスモデルの変革に取り組み始めた。非接触や「密」回避を求める消費者のニーズに応えつつ、業務効率化を図って収益構造を筋肉質にする狙いだ。合理化と顧客満足度の向上という一見相反する課題を同時に解決していけるだろうか。

 「キーワードは『旅をスマホがおもてなし』」。5月24日、全日本空輸(ANA)が開いた「新サービスモデル」の発表会で、白いTシャツに黒のジャケットというIT(情報技術)企業のトップのようないでたちでプレゼンテーションしたのは井上慎一社長だ。

ANAの井上慎一社長は「利用者の新しい価値観に合わせサービスを進化させる」と力説した(5月24日、写真:つのだよしお/アフロ)
ANAの井上慎一社長は「利用者の新しい価値観に合わせサービスを進化させる」と力説した(5月24日、写真:つのだよしお/アフロ)

 新たなサービスモデルは「ANA Smart Travel」と名付けられた。旅の準備から搭乗券の受け取り、機内サービス、さらには遅延・欠航時の対応まで、スマートフォンのアプリを軸に「おもてなし」の在り方を変える。

 象徴的なのは国際線の機内食だ。今後は利用者に対し、搭乗前に提供してほしいメニューをアプリ上で注文してもらうことを推奨していく。

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この記事はシリーズ「高尾泰朗の「激変 運輸の未来図」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。