オリックス自動車(東京・港)は2月18日、カーシェアリング大手で日本初の定額乗り放題プランを導入すると発表した。「所有」から「共有」に向かう流れに乗り、順調に市場規模を拡大してきたカーシェア業界。ただ新型コロナウイルスの感染拡大によって成長に停滞感が見えている。最大手のパーク24はレンタカー事業との融合を通じて利便性向上を図るなど、各社が再成長に向けた次の一手を打ち始めた。

「クルマの気軽な乗り方を提案していければ」。2月18日、オリックス自動車のレンタカー本部カーシェアリング部の中村健太郎部長はこう話した。
同社が19日から申し込みの受け付けを始める個人会員向けの新たな料金プランでは、1回の利用当たり3時間以内なら月額9900円、6時間以内なら同1万6500円で、何回でもカーシェアを利用できるようにした。
従来のオリックスのカーシェアの料金体系は大きく分けて2種類あった。1つは840円の月会費に加え、利用時間15分につき210~310円の「時間料金」と、走行距離1キロメートルにつき16円の「距離料金」がかかるものの、最終的には月間利用料金から最大840円が割引となる「Aプラン」。もう1つは月会費がかからないが、時間料金が15分当たり310~460円と割高な「Bプラン」だ。
定期的に利用するユーザーはAプラン、たまに利用するユーザーはBプラン、というような形で使い分けられてきたが、ここに来て第3の選択肢が登場した格好だ。定額プランは距離料金の支払いも必要ない。月額9900円のプランだと、1回3時間の利用を月に3~4回以上すれば、Aプランに比べて得になる計算になる。
もっとも定額プランで利用できるのは平日のみ。この点に、カーシェア業界が抱える成長の停滞感が透けて見える。
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