ANAホールディングスがECサイトで販売している「機内食」が人気を集めている。2020年末に発売すると、一部商品は売り出す度にすぐに売り切れに。1月18日には新商品を投入した。国際線の大幅減便によって大量の機内食が余ったことが外販に至ったきっかけだが、実現の裏には機内食製造を手掛けるグループ会社の多角化を託され入社した「外様」の奮闘があった(参考記事:コロナ危機、自力で生き残る もがくANAホールディングス)。

1月18日には機内食の新商品を発売(写真は洋食の一例)

 「牛肉の香ばしい香りがたまらない」「テレワーク中のランチにちょうどよさそう」。SNS上でこんな声が上がっているのが、ANAホールディングス(HD)傘下の全日空商事が運営するECサイトや「楽天市場」上で販売されている全日本空輸(ANA)の機内食だ。製造・販売を手掛けるのはグループ会社のANAケータリングサービス(ANAC、東京・大田)。国際線のエコノミークラスで提供される食事のメインディッシュを12食入り7200~9000円で売り出すと、一部は発売後すぐに売り切れる人気を集めた。

 機内食の外販に至ったのは、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけだった。通常時、日本発の国際線エコノミークラスの延べ乗客数は月30万人ほど。機内食はおおむね3カ月に一度、一部は毎月内容を変えている。この想定の下、実際に提供を始める1年前からメニューを開発し始め、4カ月ほど前に確定。取引業者などへの発注を始める。

 ただ、20年1月の中国・武漢便を皮切りに2月には中韓路線、3月にはアジア・欧米路線へと運休が拡大。4月以降は旅客数が前年比数%という状態が続いている。発注済みの大量の機内食が余る事態になったのだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1767文字 / 全文2481文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「高尾泰朗の「激変 運輸の未来図」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。