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新型コロナウイルスの感染拡大は収束が見通せず、リアル店舗は厳しい環境が続く。だが、ワークマンが出店を拡大し、中国・アリババ集団がスーパーマーケットを買収するなど、リアルで出店攻勢をかけている企業は少なくない。化粧品や日用品、食品の国内大手など9500社以上にデジタルマーケティングの支援サービスを提供するいつも.(東京・千代田)の共同創業者で、副社長の望月智之氏は「大量出店時代がやってくる」と話す。一部に広がるリアル店舗活況のわけと、今後の動向について聞いた。

望月 智之(もちづき・ともゆき)
いつも.副社長。1977年生まれ。99年3月上智大学卒業後、船井総合研究所(現船井総研ホールディングス)入社。上場企業の経営戦略立案や事業再生など手がける経営コンサルタントを経て、2007年2月株式会社いつもを共同創業。消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、Eコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。著書に『2025年、 人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)。ニッポン放送の「望月智之 イノベーターズ・クロス」ではナビゲーターを務める。

新型コロナウイルスの流行を受け、リアル店舗の苦境が続いています。

望月智之・いつも.副社長(以下、望月氏):消費者が実店舗に行かないのはコロナの感染拡大前からあった現象です。そもそも店舗のフォーマットが今の消費者と合っていないのではないでしょうか。ECで買えば翌日に商品が届くのに、実店舗では持って帰らなければならない。レジで並ぶ、店員の接客がいやなど、不便なことが少なくありません。

 世界的にも来店人数の減少は止まらず、それがコロナでさらに加速した印象です。米国で「店舗に新しい価値をもたらそう」「リアルとデジタルの融合」という考え方が出てきたのも、そもそも来店減があったから。

 消費者も変わりつつあります。面白いなと思ったのは、最近、店員に尋ねる質問が変わってきているところ。昔は「どっちがいい?」「どんなものと合うか」など商品について聞くことが多く、店舗での回遊時間も長かった。それが今は、「これっていくら?」「どこに売っていますか?」と聞く客が多くなり、接客の必要性がなくなってきています。スマートフォンで調べることができるので、消費者が店員よりも詳しい可能性だってあります。

そうなれば、店舗を減らす動きは止まらないのでしょうか。

望月氏:その反対で、しばらくたてば実店舗の大量出店時代が来ると思っています。ワークマンは出店拡大の考えを持っています。(化粧品の)オルビスさんにも聞きましたが、「今は店舗を出したもん勝ちです」と。中国勢もEC事業者を中心にリアルで出店攻勢をかけています。