年間50兆円とされる日本の相続財産市場だが、若い世代に資産が回らない課題がある。その中で注目を集めているのが、故人の遺言に基づいて財産を寄付する「遺贈寄付」。動物園の新しい施設が故人の遺志で生まれるなど実績も出てきた。

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 2021年3月に3頭のレッサーパンダを一般公開した名古屋市の東山動植物園。5月に来園したもう1頭を含むレッサーパンダたちが過ごす様子を見られる真新しい獣舎は、名古屋市に住んでいた女性(享年70)からの約1億7000万円の「遺贈寄付」があったことをきっかけに整備したものだ。女性の「子どもたちのために人気がある動物の導入に役立ててほしい」との希望を踏まえて導入を決断した。

東山動植物園では4頭のレッサーパンダの一般公開が21年にスタートした(写真は公開された1頭のれいかちゃん)
東山動植物園では4頭のレッサーパンダの一般公開が21年にスタートした(写真は公開された1頭のれいかちゃん)

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