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 特別定額給付金や政府によるマスクの配布など、政府の新型コロナウイルスへの対応ではデジタル化の遅れが指摘されることが多くなった。「自分が自分であること」を証明できるサービスがスムーズに進まなければ、政府が言うような「世界最先端デジタル国家」もなかなか進まない。こうした個人情報のサービスはどのように進展していくのだろうか。注目を集めるのが、ブロックチェーンを使ったデジタル身分証明技術だ。

 危機時に役立つデジタルツール、のはずが、新型コロナウイルスへの対応では政府のデジタル化の遅さが目立つ。

 「特別定額給付金」はオンラインで申請できるものの、自治体の窓口で混乱が相次いだこともあって、一部の自治体が郵送での申請を呼びかけた。また、台湾などがアプリを使い薬局やコンビニエンスストアでマスクを配布したのに比べ、日本は1世帯ずつマスクを配るなんともアナログな仕組みだ。

 いずれも日本でネックになったのは「自分が自分であること」の証明をいかに実施するか、ということだ。日本には国民に12桁の背番号を割り振る「マイナンバー」制度があるはずだが、普及しているとは言いづらい。

 ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使ったデジタル身分証アプリを手掛けるblockhive(東京・千代田)の日下光CEO(最高経営責任者)は「政府にばかり何かを求めるのではなく、コロナを契機に官民の役割を再定義する必要がある」と話す。

blockhiveの日下光CEOはデジタル身分証の普及を目指す

 blockhiveでは「私が私であること」の証明にかかるコストを下げ、スマホだけで手続きが済む、そんなサービスづくりを進めている。その柱となるのが、4月から始めた「マイナンバーカード」を使ったデジタル身分証サービス「xID(クロスアイディー)」だ。