生産調整を余儀なくされた高級車「レクサス」を生産するトヨタ自動車九州の宮田工場に向かう従業員
生産調整を余儀なくされた高級車「レクサス」を生産するトヨタ自動車九州の宮田工場に向かう従業員

[4月21日公開] 新型コロナで工場休止 トヨタ、日産の城下町で見た雇用危機

「雇用クライシス」は自動車業界も揺るがしている。トヨタ自動車は4月3日から輸出向け車種を製造する国内5工場7ラインを一時休止していたが同15日、さらなる減産を発表。グループ会社を含めて国内の完成車全18工場で生産調整に踏み切る。工場で働く従業員からは、雇用継続に不安の声が漏れている。

 ただ、危機はいつかは終る。新型コロナの感染拡大が終息したとき、経済を早期に立て直す原動力はやはり雇用だ。終息の見通しが立たない中で、雇用をいかに維持するかが危機克服の最大のポイントとなる。

 トヨタの豊田章男社長が“師”と仰ぐ、伊那食品工業の塚越寛最高顧問は、「危機が訪れたら真っ先に雇用に手をつけている企業もあるが、伊那食品工業では『コロナウイルスの感染拡大で景気が低迷したからといって社員を切る』などということは絶対にあり得ない」と話す。ゆっくりと確実に成長していく「年輪経営」という哲学を持ち、幾度も危機を乗り越え48期連続増収増益という偉業をなし遂げた塚越氏は、既に危機後を見据えている。

「年輪経営」を掲げる伊那食品工業の塚越寛最高顧問(写真:栗原 克己)
「年輪経営」を掲げる伊那食品工業の塚越寛最高顧問(写真:栗原 克己)

[4月22日公開] トヨタの“師”が語る「新型コロナで景気が悪化しても雇用は守る」

「雇用クライシス」が顕在化し始める中、企業はどのように雇用を維持したらよいのか。急成長を否定し、終身雇用と年功序列をかたくなに守る伊那食品工業の塚越寛最高顧問に話を聞く。ゆっくりと、確実に成長する「年輪経営」を掲げる塚越氏の目に、コロナ・ショックはどのように映っているか。

 連載「雇用クライシス コロナ・エフェクトに備えよ」では、失業や内定取り消しなど雇用リスクが顕在化している最前線のルポや、危機に挑み雇用維持の決意を語る経営者へのインタビューなどを通じて、「アフター・コロナ」の世界で成長していくレジリエンス(回復力)の強い組織となるためのヒントを探っていく。

[ラインアップ(予定)]

新型コロナの“需要消滅”が招く雇用危機、「倒産する」悲鳴続々
・新型コロナで工場休止 トヨタ、日産の城下町で見た雇用危機
・トヨタの“師”が語る「新型コロナで景気が悪化しても雇用は守る」
・108兆円の経済対策は迅速さ、規模に欠ける 追加対策が必要
・「副業」が危機克服の救世主? 「疑似ベーシックインカム」になるか
・日本電産永守会長が語る「景気回復まで3年はかかる」

 ほか、新型コロナに挑む中小企業ルポなどを順次連載予定

(※内容は変更になる可能性があります)

 この連載は、取材・執筆を中沢康彦鷲尾龍一定方美緒・大竹 剛が、ディレクションを大竹 剛が担当します。