国鉄が分割民営化されて35年。JR各社では今年、1985年卒の新社長が3人生まれるなど、国鉄時代をほぼ知らない“JR世代”が経営を担う時代に入った。4回目は89年にJR東日本に入社した副社長の喜勢陽一氏。マーケティング本部長として生活サービス事業などをけん引する同氏に、鉄道会社の枠をどう乗り越えていくかについて聞いた。

2018年に策定したグループ経営ビジョン「変革2027」に、経営企画部長として主体的に関わりました。そのときに強く打ち出したのは、当社はサービス業であり、世の中の変化、お客さまのニーズの変化に合わせてビジネスで応えていくということです。
国鉄の分割民営化で会社が発足してから30年間にわたって、当社は鉄道インフラを起点とした会社運営を行ってきました。「鉄道の再生と復権」という国鉄改革の目的を考えれば当たり前のことで、鉄道の輸送量を高め、安全性を高め、サービスを高めてきたわけです。
しかしサービス業として、これからの起点は「人」。鉄道ネットワークの強みを生かしながら、お客さまの心豊かな生活空間をつくり、地域の社会課題の解決に貢献していく。世界一の事業規模である鉄道事業を抱えた「総合生活サービス企業」を目指しています。
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コロナ禍、人口減、鉄道を襲ういくつもの苦難。それでも、現場のハートは燃えている! 鉄道が担う公共交通という役割を残し、守ろうと奮闘する現場の人々の思いを追って、日経ビジネスの「鉄」記者が自ら駆け回ってきました。人気連載「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」をついに書籍化! 日本全国の鉄道の、現場の挑戦、苦闘、そしてトンネルの向こうを目指す生の声を伝えます。
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