追加運賃なしが転機に

 しかし、思ったようには利用は伸びなかった。大きな理由は、バスに乗ると300~1200円のバス運賃が追加で必要になるということ。しかも、同じ区間を走るJRは210~1110円と安い。これでは、バスではなく鉄道の時刻に合わせて移動しようと考えられても仕方がない。そこで20年10月から21年2月まで、JRの定期券を持っていれば追加料金なくバスも利用できる実証実験を行ったところ、151日間で延べ62回の利用があった。

 乗車券を共通にすれば効果があることが明らかになったが、正式なサービスとして実現するには大きな壁がある。異なる事業者が運賃や運行ダイヤを調整するのは独占禁止法上の「カルテル」に該当してしまうのだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2427文字 / 全文4424文字

【初割・2カ月無料】有料会員の全サービス使い放題…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

佐藤嘉彦記者の『鉄道会社サバイバル』好評発売中!

コロナ禍、人口減、鉄道を襲ういくつもの苦難。それでも、現場のハートは燃えている! 鉄道が担う公共交通という役割を残し、守ろうと奮闘する現場の人々の思いを追って、日経ビジネスの「鉄」記者が自ら駆け回ってきました。人気連載「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」をついに書籍化! 日本全国の鉄道の、現場の挑戦、苦闘、そしてトンネルの向こうを目指す生の声を伝えます。