JR西日本がJRグループで初めてとなる公募増資を実施したが、株価が急落して調達金額は想定よりも大幅に減少した。市場全体の株高の波に乗れなかった背景の一つに、資金の使途として公表された成長戦略の中身が新味を欠く内容であった要因が挙げられる。

 JR西の長谷川一明社長が成長資金を調達すると強調した今回の公募増資。菅義偉首相の退陣表明などで日経平均が大きく上昇するという追い風を生かすことができなかった。

 9月1日に公募増資を発表した時点では、8月20日の終値ベースで最大2786億円を調達できるとしていた。だが、発表される前に6000円前後で推移していた株価は9月2日、5208円へと急落した。

JR西日本が公募増資で調達できる金額は想定より大幅に目減り
JR西日本が公募増資で調達できる金額は想定より大幅に目減り

 結局、9月13日に決まった売り出し価格は4996円で、調達できる金額は最大2325億円となった。公募増資の発表時に示した金額と比べ461億円(16.5%)も目減りした。

 JR西の公募増資が市場の評価を得られなかった理由には、大きく分けて3つある。

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