
「どうして小田急電鉄はあんな沿線開発ができたのか」
鉄道業界で話題になり、視察が絶えないエリアがある。東京都世田谷区の下北沢駅を中心に再開発され、小田急小田原線が地下化された跡地につくられた「下北線路街」だ。2019年から順次開業が進み、22年1月に完成を迎える。
東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅の3駅1.7㎞の区間に、13の個性的な施設が立ち並ぶ。線路跡ということで細長い敷地だが、延べ2万7500㎡もある。
鉄道会社の典型的な開発手法は、大きな建物をつくり、自社グループのスーパーマーケットや全国チェーンの小売店、飲食店を入れるというもの。小田急もこれまで、同じような手法を採ってきた。しかし、下北線路街は違う。商業施設ではあえてチェーン店を入れず、個人経営の店を集めた。温泉旅館や学生寮など、今まででは想像できないような施設もある。
通常の10倍の手間
まちづくり事業本部エリア事業創造部の橋本崇課長は「通常のテナント誘致と比べると、10倍の手間はかかっている」と話す。
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