2020年11月、JR西日本は「デジタルソリューション本部」を新設した。車両・線路・電気設備など社内の部門ごとにバラバラに管理していたデータを使い、メンテナンスの生産性向上やマーケティングの効率化に生かそうとしている。そのためには部署間の壁を取り払う必要があった。

 2020年11月1日に行われたJR西日本の大規模な機構改革では、鉄道事業を統括する鉄道本部、関連事業を統括する創造本部などと並ぶ組織として「デジタルソリューション本部」が新設された。デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略を担当する部署として、長谷川一明社長が自ら本部長に就いた。

 デジタルソリューション本部は専任スタッフが45人、他部署との兼務も含めると約70人の大所帯。長谷川社長は「コロナ禍で各部門に要員削減を求めている中で新たな組織を立ち上げることについては、社内の抵抗もあった」と明かす。それでも踏み切ったのは、アフターコロナを見据えた事業構造改革にDXが不可欠と考えるからだ。

鉄道事業などのデジタルトランスフォーメーションを目指す
鉄道事業などのデジタルトランスフォーメーションを目指す

 JR西は同じタイミングで22年度までの中期経営計画を見直し、新たな軸として「変化対応力を高める企業改革」を追加した。そして「グループデジタル戦略」を定め、3つの再構築を掲げる。1つ目は顧客体験の再構築、2つ目はメンテナンスなどの再構築、そして3つ目は従業員の働き方の再構築だ。

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この記事はシリーズ「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。