観光客を集めてきたSL列車の運休で収入のほとんどが失われた(写真:大井川鉄道)
観光客を集めてきたSL列車の運休で収入のほとんどが失われた(写真:大井川鉄道)

 静岡県中部を走る大井川鉄道(静岡県島田市)は5月13日、電車の運行を朝の1往復だけにする減便を始めた。「収入の8~9割を占める観光需要が新型コロナウイルスの感染拡大で消滅し、経営の支えとなるものがなくなった。大幅減便は時間の問題だった」。広報担当の山本豊福氏はそう語る。

 JR東海道本線の金谷駅から大井川に沿うように山間部へと向かう大井川鉄道は蒸気機関車(SL)の運行で有名だ。2014年からは子供に人気のキャラクター「きかんしゃトーマス」を模したSLを走らせ、首都圏や中京圏などから家族連れを集客してきた。東日本大震災の後に観光客の減少で一時赤字に陥ったが、北海道でホテルを運営するエクリプス日高(北海道新ひだか町)が15年からスポンサーとなって経営を再建。ここ数年はツアー事業の強化や沿線ホテルの運営受託など多角化を進め、黒字経営を続けてきた。

 ところが新型コロナで事業環境が一変した。「3月からSL列車の乗客が減り始め、首都圏や愛知県で緊急事態宣言の発出が検討されるようになると、パタリと客足が遠のいた」(山本氏)。4月以降、新型コロナ対策を徹底してSL列車の運行を継続しようと模索したが、利用客が見込めない状況は変わらなかった。結果的には4月10日から運休せざるを得なくなったという。

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