JR西日本が開発した運行情報表示ディスプレーが、営業エリアから遠く離れた銚子電気鉄道(千葉県銚子市)で稼働を始めた。鉄道事業の先行きに厳しさが増すなか、同業他社や異業種への技術外販に活路を見いだそうとしている。

 「当社は常に『崖っぷち』。車両も設備も非常に古くて、年に何回かは輸送障害が起きてしまいます」。2月末、銚子電気鉄道(千葉県銚子市)の社長、竹本勝紀氏はおはこの“崖っぷちトーク”で挨拶を始めた。

 全長6.4キロメートルの弱小地方鉄道である同社は2006年、ホームページに「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」と社員が書き込んだことで一躍有名になった。窮状を知った人々が、銚子電鉄が副業で製造・販売しているぬれ煎餅を購入してくれたことで修理代を確保。その後は「経営状況がまずい」ことに引っかけたスナック菓子「まずい棒」、自主製作映画「電車を止めるな!」など自虐ネタで話題を集め、なんとか生き延びている。それでも1月末、製造から60年近くたった老朽車両が故障。1週間減便を余儀なくされるなど綱渡りの経営が続いている。

 「そんな当社には不釣り合いな、最新技術が導入できることになりました」。そう言って竹本氏が披露したのが、運行情報を表示する液晶ディスプレーだ。機器には銚子電鉄のロゴとともに、JR西日本のロゴが入っている。どういうことか。

銚子電気鉄道の外川駅(千葉県銚子市)に導入されたディスプレーには銚子電鉄とJR西日本のロゴが入っている
銚子電気鉄道の外川駅(千葉県銚子市)に導入されたディスプレーには銚子電鉄とJR西日本のロゴが入っている
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この記事はシリーズ「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。