成田空港を発着する国際線の激減で、特急スカイライナーの利用客がコロナ前の15%まで落ち込んでいる京成電鉄。少しでも収入を確保しようと始めた鉄道ファン向けのツアーが、約1年で3000人の参加者を集める盛況ぶりとなっている。車両基地や使われなくなった駅のホームなど、社内にある意外な資産を活用する。1人でも多く京成電鉄を利用してもらい、コロナ後の再起につなげようというもくろみがある。

旅客ターミナルから離れた場所にある東成田駅に、ツアーの車両が姿を見せた
旅客ターミナルから離れた場所にある東成田駅に、ツアーの車両が姿を見せた

 3月20日の午前10時過ぎ。約1時間前に京成上野駅を出発した特別列車が、「成田空港駅」のホームに滑り込んできた。

 しかし普段の成田空港駅とは様子が随分と違う。ホームは薄暗く、古びた木製のベンチが置かれている。「BANK OF TOKYO 東京銀行」「Yen shop 武富士」といった、今はもう存在しない企業の広告が残り、数十年前から時が止まっているかのよう――。

 ツアーの参加者たちはタイムスリップした錯覚に包まれた。

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この記事はシリーズ「佐藤嘉彦が読む鉄道の進路」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。