3月18日、JR大阪駅で「うめきたエリア」と呼ばれる新たな地下ホームが開業した。JR西日本はこのエリアを「JR WEST LABO」と名付け、イノベーションの実験場と位置づける。さまざまな取り組みから、未来の駅の姿の一端を垣間見た。
大阪駅に新たに開業したうめきたエリアは、21~24番線。これまで大阪駅をかすめるように通過していた特急くろしお(京都・新大阪~和歌山・海南・白浜・新宮間)、特急はるか(野洲・草津・京都~関西空港間)の全列車が停車し、乗り換えなしで関西空港まで行けるようになった。また、新大阪駅で折り返していたおおさか東線の列車も乗り入れる。1日の利用客は乗車・降車を合わせて1万2000人と見込まれている。

このエリアは従来の大阪駅から見て北西に位置し、従来のホームとは500メートルほど離れている。地下通路で結ばれており、イメージとしては、JR東京駅の京葉線ホームに近い。計画段階では「北梅田駅」「うめきた地下駅」などと呼ばれていたことからも分かる通り、事実上の新駅開業と言ってよい。
JR西は2018年、約20年後にありたい姿を「技術ビジョン」として公表している。その実現に向けたイノベーションの実験場とすべく、うめきたエリアにはさまざまな新技術が盛り込まれている。
最も目を引くのは、自動改札機の横に設置されたゲート。ICカードなどをかざすことなく、事前に登録した顔の情報だけで通過できる「顔認証改札機」だ。

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