3月12日、JR各社をはじめ多くの鉄道会社でダイヤ改正が行われる。新型コロナウイルス禍になって2年あまり。鉄道利用がコロナ前には戻らないことを前提に、利用実態に即した運行形態の見直しが顕著になっている。その流れに逆行するかのように朝ラッシュ時の列車増発に踏み切るのがJR東海だ。新型車両の導入で旧国鉄からの継承車両を一掃するのも、JRでは初めてとなる。背景にあるのが、収益の柱である東海道新幹線の存在だ。

 2022年3月12日のダイヤ改正では、JR東日本とJR西日本が、自然災害によるものを除くと1987年の分割民営化以降で最大の削減幅となるダイヤの見直しを行う。大都市圏の朝ラッシュ時も例外ではない。例えば山手線(外回り)では1時間当たり最大21本だったものが18本に減るなど、首都圏の各線で減便になる。近畿圏では、ばらつきがあった運転間隔を平準化しつつも、トータルではやはり減便になるという。

 そんな中、逆に増発される路線がある。JR東海の中央本線(名古屋駅~中津川駅間)だ。名古屋駅到着時刻を基準にすると、午前7時台に1本、午前8時台に2本増える。名古屋駅に午前7時29分から午前8時46分の間に到着する列車は、14本から17本になる。

 その理由は、これまで10両編成だったものが8両編成に変更になるため。運行本数に車両数を掛け合わせた「輸送力」はほぼ変わらない。しかしJR他社が減便する中では、輸送力を維持するだけでも珍しい部類に入る。

JR東海は中央本線に8両編成の新型車両「315系」(左)を導入。旧国鉄から引き継いだ「211系」(右)などを置き換える
JR東海は中央本線に8両編成の新型車両「315系」(左)を導入。旧国鉄から引き継いだ「211系」(右)などを置き換える

 JR東海が中央本線を8両編成に変更するのは、「315系」という新型車両を導入するためだ。これまでの車両は4~10両編成とバラバラだったが、8両編成に統一する。2023年度中に名古屋駅~中津川駅間のすべての普通・快速列車を315系に置き換える。最終的には25年度までに合計352両が導入されて、名古屋地区や静岡地区の東海道本線などでも走るようになる。投資額は約720億円にものぼる。

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