Focus 20
佐藤嘉彦が読む鉄道の進路

63回
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西武鉄道が中古車両の導入を決断 コロナ後の固定費削減に苦慮
鉄道各社の2022年3月期決算は、大手民鉄の大半が黒字転換した一方、JR九州を除くJR各社は2期連続の最終赤字に沈んだ。全体に占める比率が高い鉄道事業の赤字が足を引っ張った形だ。乗客数が新型コロナウイルス前の水準には戻ら…
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近鉄の観光特急「あをによし」 首都圏で切符の“指名買い”狙う
4月29日、近畿日本鉄道は大阪、奈良、京都を結ぶ観光特急「あをによし」の運行を始めた。沿線人口の減少に頭を悩ませる近鉄は、成長が期待できるの観光利用の鉄道を強化する。ターゲットとなるのは沿線外。マーケットの大きな首都圏か…
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23年春にJR東西、東京メトロも値上げへ 改定手法は各社各様
2023年春は、鉄道業界では久々の“値上げラッシュ”になりそうだ。東急電鉄が国土交通省に申請していた運賃改定が条件付きで認められたほか、近畿日本鉄道も4月15日に23年4月からの運賃改定を申請。JR東日本、東京メトロ、J…
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コロナ禍で打撃の東急 創業100周年で誓う「シン・沿線開発」
創業100周年を迎える東急が、新型コロナウイルス禍で新たな沿線開発モデルの創出に取り組み始めた。その第1歩である「nexusチャレンジパーク早野」は、駅からは遠く離れ、商業施設でもない。事業者目線を捨て、地域住民と対話し…
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JR西日本が“崖っぷち”銚子電鉄に技術を売り込んだわけ
JR西日本が開発した運行情報表示ディスプレーが、営業エリアから遠く離れた銚子電気鉄道(千葉県銚子市)で稼働を始めた。鉄道事業の先行きに厳しさが増すなか、同業他社や異業種への技術外販に活路を見いだそうとしている。
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JR九州「はやとの風」運行終了 観光列車はローカル線を救えるか
JR各社でダイヤ改正が行われる3月は、長年走った列車との「別れの季節」でもある。JR九州は2004年から運行してきた観光列車「はやとの風」の運行を終える。利用客の減少に苦しむローカル線のテコ入れ策としてもてはやされる観光…
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JR東海が異例の列車増発 新幹線収益で「脱国鉄」一番乗り
3月12日、JR各社をはじめ多くの鉄道会社でダイヤ改正が行われる。新型コロナウイルス禍になって2年あまり。鉄道利用がコロナ前には戻らないことを前提に、利用実態に即した運行形態の見直しが顕著になっている。その流れに逆行する…
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JR東が直通運転取りやめ 3月ダイヤ改正で細る郊外の足
3月12日、JR各社をはじめ多くの鉄道会社でダイヤ改正が行われる。新型コロナウイルス禍になって2年あまり。1年前の2021年3月ダイヤ改正では主に終電時刻の繰り上げに注目が集まったが、今年は鉄道利用がコロナ前には戻らない…
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JR東日本、JR東海が脱炭素に本腰 最大の壁は電力の再エネ対応
JR東日本は燃料電池を動力源とした水素ハイブリッド電車を試作、JR東海は次世代バイオディーゼル燃料を使った走行試験を実施。鉄道会社が政府の掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向けて脱炭素への取り組みを加速させている…
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東急が値上げ申請 「3年間赤字継続」と言えるワケ
東急電鉄が2023年春の値上げを目指し、国土交通省に運賃改定を申請した。値上げ幅は平均12.9%で、長年保ってきた「大手私鉄で最安値水準」の看板を下ろす。値上げが認められるのは、今後3年間赤字が継続すると見込まれる場合。…
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20年目のSuica JR東日本、新型カードを地方バス会社に売り込む
改札機にタッチするだけで鉄道に乗れ、店舗での買い物などでも使えるICカード「Suica」が20周年を迎えた。発行枚数は2021年9月末時点で約8759万枚にも及ぶ。しかし、本格的に普及しているのは首都圏、仙台、新潟に限ら…
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20年目のエクスプレス予約 JR東海は観光需要を掘り起こせるか
東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約(EX予約)」が20周年を迎えた。登録会員数は750万人を超え、ネット予約やチケットレス乗車が当たり前の光景になった。首都圏や関西圏に販売拠点が少ないJR東…
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JR西と阪急阪神がタッグ、乗り入れは電車ではなく「データ通信」
これまで4回にわたって鉄道各社の荷物輸送への取り組みを紹介してきた。実は、鉄道が運べるのは旅客と荷物だけではない。線路の脇には信号機などを制御するためのケーブルが敷かれており、データ通信にも使える。すでに通信事業に取り組…
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東武やJR西、農産物を客室に 在来線の網の目生かす
これまで3回にわたって紹介してきた荷物輸送は新幹線を利用するものだった。これに対し、東武鉄道とJR西日本がスタートさせたのは在来線の活用だ。新幹線よりもスピードは遅いがこの2社に限らず全国に張り巡らされた交通網のため、う…
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JR東、生鮮輸送へ速度アップの原則破る 新幹線で停車4分延長の決断
荷物輸送に取り組む鉄道会社の現場を追う連載の3回目は、JR東日本を取り上げる。12月10日から、新函館北斗駅から東京駅へ向かう東北・北海道新幹線「はやぶさ」の一部列車が、途中の大宮駅に5分間停車するようになる。40箱の荷…
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福岡のパンが鹿児島で即完売 JR九州、意外だった新幹線輸送の需要
鉄道会社が荷物の輸送に取り組む現場に密着した連載の2回目は、2021年5月から新幹線での輸送を始めたJR九州を取り上げる。豪華列車「ななつ星 in 九州」の担当から荷物輸送という新事業に送り込まれた新山夏江氏は、荷主の開…
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JR西、米子発京都行きのカニ輸送 間一髪の冷や汗リレー4時間半
鉄道会社は新型コロナウイルス禍を経験し、旅客以外の輸送ビジネスを探り始めた。新たに浮上してきたのが荷物輸送だ。実体のない「データ」を運ぼうという鉄道会社も現れた。戸惑いながらも新たな挑戦を始めた鉄道マンの奮闘ぶりを追った…
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JR4社の最終損益3700億円下振れ 逆風下、事業の種探す長期戦に
JR東日本などJR4社合計の2022年3月期最終損益は、黒字予想から一転、大幅な赤字見通しとなった。新型コロナウイルス禍に揺さぶられる構図が続き、下方修正の額は3700億円に上る。固定費が高くコスト削減が限られる鉄道会社…
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JR東・JR西が挑むBRT自動運転 鉄道よりもハードル低く
JR東日本とJR西日本が、BRT(バス高速輸送システム)の自動運転に取り組んでいる。鉄道よりもバスのほうが自動運転への技術的なハードルが低いうえ、専用道を走ることで通常の路線バスよりも条件が整いやすいと見る。JR西は複数…
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新幹線オフィス車両が本格始動、単価アップよりも需要喚起の切実
新幹線のシェアオフィス化が本格化する。2021年6~7月に東北・北海道新幹線で「リモートワーク推奨車両」の実証実験を行っていたJR東日本は、11月22日からの本格実施を決定。一方、JR東海とJR西日本は10月から東海道・…
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