Focus 20
佐藤嘉彦が読む鉄道の進路

29回
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JR西「瑞風」の再出発(下) ターゲットは乗客だけにあらず
JR西日本の豪華寝台列車「瑞風」。前回はコロナ対策により、さまざまな負担が発生したことを紹介した。定員28人のための特別な列車を走らせる意義はどこにあるのか。
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JR西「瑞風」の再出発(中) 5万円値上げでも満席が続く理由
JR西日本の豪華寝台列車「瑞風」はコロナ下での運航再開に当たり、旅全体のサービスの組み立て方を根本的に見直した。コストの増加は避けられず、約5万円の値上げに踏み切った。
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JR西「瑞風」の再出発(上) “走るホテル”から消えた食堂車
JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」が4月14日、運行を再開した。約1年2か月の空白期間にサービスを見直し、“走るホテル”の目玉であった食堂車での食事をやめた。
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巨額赤字の近鉄、8ホテル売却で「リスクはなくなる」
近鉄グループホールディングス(GHD)は米投資ファンド、ブラックストーン・グループに8つのホテルを売却する。コロナ禍で稼働率が低迷するホテル事業は経営の重荷となっており、幹部に売却の狙いや今後のホテル事業の見通しについて…
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旧駅や車両基地見学、京成電鉄のマニア向けツアー快走
京成電鉄の鉄道ファン向けツアーが約1年で3000人の参加者を集める盛況ぶりだ。車両基地や使われなくなった駅のホームなど、社内にある意外な資産を活用して増収につなげた。コロナ後の再起に生かそうというもくろみがある。
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時差通勤でポイント還元開始 一方で廃止されるポイントサービスも
JR東日本と西日本が、時差通勤でポイントを付与するサービスを始める。一方でコロナ禍による経営悪化で廃止されるポイントサービスも。その動向から鉄道会社の戦略や懐具合が透けて見える
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大幅赤字でも容易ではない鉄道運賃値上げ まずは割引切符廃止から
3月6日に福岡県の西日本鉄道が運賃値上げに踏み切った。コロナ禍で利用客が減少していることを理由とした値上げは、JRや大手私鉄では初めて。ただし一部区間に限られ、他社の追随も今のところない。なぜなのか。
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終電2時間も繰り上げ 中国地方にみるローカル線の現実
JR各社をはじめ鉄道会社は3月13日に大幅なダイヤ改正を予定している。新型コロナウイルスの影響が色濃く反映され、大都市圏では最大30分ほど最終電車の時刻が繰り上がる。しかしもともと利用客が少ない地方はより厳しい。最終電車…
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地方の公共交通は「宣言解除後が正念場」 再生請負人が語る展望
新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」で公共交通機関がまたも苦境に立たされている。経営共創基盤(東京・千代田)傘下で東北・関東地方の鉄道・バス会社6社の事業再生に取り組むみちのりホールディングス(同)は、地方の公共交通機…
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「車両購入資金はファンドで集める」 しなの鉄道の挑戦
「車両更新応援ファンド」──。聞き慣れないクラウドファンディングの募集が1月14日から始まった。長野県の第三セクター・しなの鉄道(長野県上田市)が新車の導入資金を個人や法人から集めるという。新型コロナウイルスによる乗客減…
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さらば“大垣夜行”、ムーンライトながら廃止 夜行列車が消えゆく理由
東京と大垣(岐阜県)の間を走っていた夜行の快速列車「ムーンライトながら」が廃止されることが決まった。インターネットで簡単に予約できる安価なビジネスホテルチェーンや夜行バスとの競争に敗れた形だ。夜行列車としては、東京と出雲…
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ガラ空きで走る新幹線 荷物輸送で穴を埋められるか
JR東日本、JR九州に続いて、JR西日本も新幹線を使った荷物の輸送に乗り出すことを決めた。コロナ禍で旅客輸送が大きく落ち込む中、安定している貨物需要を取り込む狙いがある。ただし、事業として成立させるためには、駅から先の輸…
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ローカル線を救うか JR九州が挑む低コスト自動運転
JR九州が福岡市の香椎線で、営業列車を使った自動運転の実証実験を始めた。自動運転列車の営業運転はJRグループでは初。運転士は乗務しているが、前方の監視とドアの開閉をするだけで、列車の加減速はシステムが担う。目指すのは、運…
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飲食・映画の割引も 東急、「MaaS」で狙う定期券の復活
東急は2021年1月13日から首都圏で、移動を巡る次世代サービス「MaaS(マース)」事業の一環として、鉄道の定期券を持っていれば高速バスや飲食・娯楽サービスなどを割安に使えるようにする新たな実験を始める。テレワークの影…
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キャッシュレス化の空白地帯、ローカル線に米ビザが熱視線
京都府と兵庫県を走る京都丹後鉄道に11月、クレジットカードをタッチするだけで運賃を支払えるシステムが導入された。キャッシュレス化が進んでいなかった空白地帯に乗り込んだのはクレジットカード大手の米ビザ。地方の公共交通機関で…
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60億円で建造の高速船動けず JR九州、海上の憂鬱
JR九州の子会社が60億円かけて建造した新型高速船が宙に浮いている。7月に福岡と韓国・釜山を結ぶ国際航路に投入する予定だったが、コロナ禍で運航再開の見通しが立たない。訪日外国人を狙った強気の判断が裏目に出ている。
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ワーケーション需要を取り込めるか 尾道で見たJR西日本の模索
コロナ禍を機に広がったテレワークで、大都市圏の通勤需要は大きく減った。だが、働くための移動需要がすべて消えたわけではない。旅行と仕事を兼ねたワーケーションによって、働く場が会社でなく地方へシフトしたケースもある。JR西日…
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JR九州の新観光列車 九州一の赤字区間の収支改善背負う
JR九州は新型観光列車「36ぷらす3」の運行を始める。ローカル線を主に利用していたこれまでの観光列車とは異なり、各県庁所在地を結ぶ幹線を走るのが特徴だ。人口減やコロナの影響で、幹線にも乗客減の波が押し寄せている。九州で最…
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鉄道会社サバイバル(下):増収策に知恵絞る、沿線住民丸抱えへ
コロナ禍で苦しい経営が続く鉄道各社。路線という資産を運賃収入以外で少しでも増収につなげるために知恵を絞る。沿線の商業施設や住宅に力を入れる各社から見えてきたのは、沿線住民の生活に必要なものすべてを提供する企業への転換だ。
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鉄道会社サバイバル(上):通勤需要半減の衝撃、コスト減で補えず
都心へ出勤する人がコロナ前の5~6割にとどまっている。運賃収入の多くを定期券で得ていた都市圏の鉄道会社は青息吐息だ。終電前倒しでは減らし切れない固定費。必死の生き残り策を探る。
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