建設各社が取り組む “すごい”グリーン建設を紹介する本シリーズ。前回は建物をエネルギー貯蔵庫に変える水素エネルギー利用システムを紹介した(ビルが“巨大な電池”に? 清水建設支店に潜む水素タンク群)。最終回は「ビルを建てれば建てるほど二酸化炭素(CO2)を街に封じ込める」というコンクリートの実像に迫る。

大成建設が開発している「カーボンリサイクル・コンクリート」
大成建設が開発している「カーボンリサイクル・コンクリート」

 「ほら、コンクリートなのに真っ白でしょう」

 ここは横浜市にある大成建設技術センター。コンクリート一筋の研究者である大脇英司氏が指さして説明してくれたのは、灰色というよりもほぼ「白色」といえるコンクリートだった。

 この白いコンクリートは、大成建設が開発している「カーボンリサイクル・コンクリート」。CO2を回収して製造した炭酸カルシウムを構成材とし、コンクリート内部に大量のCO2を固定する。

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