建設各社が取り組む “すごい”グリーン建設を紹介する本シリーズ。前回は防災用の砂防ダムを発電所に変えた例を紹介した砂防ダムが発電所に? 日本工営が生んだ山形の「日本最大級」。今回取り上げるのは、2021年5月に竣工した金沢市内のオフィスビル。電力に換算すれば180世帯が1日に使うエネルギーを貯蔵できる水素タンク群がビルの中に潜んでいる。

5月に竣工した清水建設設の北陸支店新社屋
5月に竣工した清水建設設の北陸支店新社屋

 「建物に水素を貯蔵するなんて、爆発したらどうするんだ」。人々が感じるこんな怖さを乗り越えてビルを建設したのが清水建設だ。金沢駅からおよそ1kmの市街地に建設した北陸支店新社屋に、太陽光と水素を活用して電力を自給自足するシステムを導入した。 

 この新社屋は「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」で北陸地方初の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」評価を受けた。ZEBとは消費するエネルギーの収支がゼロまたはマイナスとなる建物だ。新社屋の建設プロジェクトに携わった清水建設技術研究所の下田英介主任研究員は「金沢は冬が長く曇天も多い。出力の変動が大きい太陽光発電を有効活用するために不可欠だったのが水素貯蔵の技術だ」と話す。

清水建設北陸支店の1フロアにある水素貯蔵用のタンク群
清水建設北陸支店の1フロアにある水素貯蔵用のタンク群

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