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 コロナ禍による逆風下で気を吐く不動産セクターがある。物流施設だ。不動産市場ではホテルや商業施設、オフィスに悪影響が及ぶ一方、首都圏の物流施設は需要が旺盛で、他セクターの苦境とは無縁のような活況を呈している。

2019年末を基準点としたセクター別のREIT指数の推移。「物流施設」への投資熱が高まっている(資料:ドイチェ・アセット・マネジメント提供)

 不動産投資信託(REIT)の投資口価格の変動をみれば一目瞭然だ。ドイチェ・アセット・マネジメントの小夫孝一郎オルタナティブ調査部長は、「物流施設はコロナ禍の影響をほとんど受けておらず、むしろオンライン消費の拡大とともに賃貸需要が伸びている。2019年末を100としたセクター別のREIT指数をみても、直近では2割以上、上昇しており、投資家からの投資熱の高さを反映している」と分析する。

 実際、首都圏では空室率が1%を下回る地域がほとんどだ。物流施設の賃貸・管理大手のシーアールイーが調査した「首都圏大型倉庫の空室率」によると、20年6月末時点の首都圏の空室率は0.43%。物流施設は新規物件が供給されてもすぐに契約が入る状況だ。20年4~6月期には46.3万m²の新規と2.9万m²の既存施設からの供給があったが、同期内の需要でほぼ消化している。