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横河システム建築とクーダジャパンが開発を進める「天然芝昇降ピッチ」。ピッチ全体をワイヤで空中につり上げて“天井”として使い、下の空いた空間をイベント会場として利用することでスタジアムの稼働率を大幅に上げる

 サッカーや陸上競技で使用する天然芝のピッチをワイヤで空中につり上げて「天井代わり」に使い、下の空いた空間を音楽イベントや屋内スポーツの会場として利用する――。

 そんな大胆な発想のスタジアムを、物流センターなど大型建築物を設計・施工する横河システム建築(千葉県船橋市)とスポーツ施設の設計を手掛けるクーダジャパン(河野久米彦代表)が共同開発した。この仕組みは、既存のサッカースタジアムなどにも後付けで導入が可能だ。

多くのスタジアムは年間300日ほど休眠状態

 横河システム建築の髙柳隆常務執行役員は「ピッチ下の空間を有効活用すれば、365日稼働できるスタジアムとして大きな収益を生む」と説明する。

 同社は兵庫県神戸市の「ノエビアスタジアム神戸」や愛知県豊田市の「豊田スタジアム」など開閉屋根をもつスタジアムで駆動機構の設計・施工を請け負った実績を持つ。全天候型スタジアムに携わった経験から、スタジアムの稼働率を最大化する技術の開発を長年続けてきた。その解が「天然芝ピッチの垂直昇降」だった。