金融業界が先行して進めてきたブロックチェーンの活用が他業種にも広がり始めている。住宅大手の積水ハウスは、同社の賃貸住宅への入居希望者に対し、ブロックチェーンを活用して複数企業で本人確認情報(KYC)を共有する仕組みを構築。物件内覧や契約手続き、引っ越し、ガス・水道・電気の契約などを簡素化するワンストップサービスを2020年度内に開始する。賃貸入居の各種手続きでブロックチェーンを活用するシステムは業界初となる。

積水ハウスが2020年度内に開始する賃貸入居プロセスのワンストップ化の仕組み。KYC(本人確認情報)を複数の企業で共有することで利用者は転居におけるサービスをシームレスに受けることができる

 不動産の仲介において事業者と利用者の双方を悩ませる問題が「手続きの煩雑さ」だ。転居を決めた際、不動産仲介事業者や運送会社、ライフライン供給者など、サービスを提供する事業者ごとに契約を結ぶ必要があるためだ。その都度、確認書類の提出や申込書への記入が求められる。

 事業者も利用者の支払い能力などを個人履歴から判定する必要があり、情報管理にコストと時間がかかっていた。積水ハウスのブロックチェーン活用は、インターネットでホテルを予約するような手軽さで賃貸契約を結べるようにすることで、市場の流動化を促す狙いがある。

行動履歴が本人確認のツールに

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