建設現場の職人(技能労働者)には個人事業主である「一人親方」が多い。失業保険などが適用されない一人親方の生活を守るためにも、新型コロナウイルスの感染に警戒しながら現場は仕事を続けなければいけない。感染リスクを低減するため、IT活用で人との接触を控える現場づくりが進んでいる。
「複数人が同時に働く住宅の建設現場では、新型コロナの感染リスクがあるだろう。しかし、職人とその家族の生活を守るためにも現場を止める判断はできない」。こう話すのは、名古屋市で戸建て住宅の設計・施工を手掛ける阿部建設の阿部一雄社長だ。
阿部社長は緊急事態宣言が発令されてからも、建設現場の職人が働ける環境づくりに腐心してきた。「営業や事務作業の一部はリモートワークに対応できたが、建設現場だけは職人がいなければ仕事が進まない」と話す。

阿部建設は現場で上に示した文書を掲げている。現場に入る職人にはマスク着用と手洗いを厳守してもらい、家族も含めた健康状態を確認している。「リモートワークを実施する会社が増えたことで、集合住宅などの近隣にある現場では騒音への配慮も欠かせなくなっている。ウイルス対策だけでなく現場の様子も変化している」(同)という。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1575文字 / 全文2094文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「江村英哲の「ひと×街×テック」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?