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 米ヒルトンは10月27日、2026年に東京・日本橋に「ウォルドーフ・アストリア」を開業すると発表した。日本でも長らく期待されていた、欧米資本のホテルにおける最高級ブランドだ。なぜ今、ヒルトンは「真打ち」を日本に投入するのか。日本・韓国・ミクロネシア地区の運営最高責任者を務めるティモシー・ソーパー氏は「ようやくふさわしい場所が見つかったから」と話す。

米ヒルトンで日本・韓国・ミクロネシア地区の運営最高責任者を務めるティモシー・ソーパー氏

 「マス市場向けのブランドではない。東京で展開できるのは1軒だけ。パートナーとの調整にも時間がかかった」。ソーパー氏は感慨深げに、そう振り返る。実はウォルドーフは2000年ごろから日本での展開を視野に入れていた。ただ、立地や条件面での制約が思いの外、大きかったようだ。

 確かに、開業するのは、日本全体で見ても一等地だ。三井不動産が中心となり3000億円以上をかけて開発する超高層ビルの39~47階部分。2000年代以降、東京には世界の名だたる高級ホテルが相次いで進出した。ヒルトンは高級ブランド「コンラッド」を展開したが、ウォルドーフは構えなかった。ナンバーワンのプライド、というべきだろうか。

聞かれる前に、要望をくみ取ってサービス

 そもそも、ウォルドーフとはいったいどんなホテルなのか。1893年に誕生し「ルームサービス」を最初に始めたホテル、とホテル史に書かれてはいる。ソーパー氏は、魅力の根源はハードではないという。「お客様から聞かれる前に、要望をくみ取ってサービスするのが基本」。つまり、最大の特徴はソフトであり、スタッフだ。

 通常、ホテルは利用者からの要望を受けてスタッフが対応する。ただ、ウォルドーフでは、それは許されず「(思わず)ハイタッチしたくなるサービス」が必要とされる。そうであれば、スタッフを育成するのは最重要課題。ウォルドーフには通常のホテルの2~3倍の時間を要するトレーニングプログラムがあるという。