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 日本が世界に誇る食のブランド、神戸牛が苦境に陥っている。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの飲食店が休業したため需要が激減し、枝肉の販売価格は半分に下落した。供給を絞りたくても牛は出荷を待ってくれないが、名門・中西牧場の牧場主、中西仁氏(39)は「神戸牛はなくならない。試練を抜ければ、再び需要は戻る」と前を向く。

神戸牛の名門牧場を運営する中西仁牧場主

 神戸市北部の山岳地域。春光眩(まばゆ)い丘陵には今日も穏やかな空気が流れている。ここの牛舎でゆったりとした時間を過ごす牛たちからすれば、世の中の喧騒など遠い世界の話だろう。ただ、新型コロナウイルスの影響は及んでいる。神戸牛の直近の枝肉価格は1キロ約2000円と、約4000円だった1年前から半分の水準となった。

 「高級レストランからの発注がなくなり、輸出も止まった。スーパーには置けないので需要が大きな打撃を受けている」。過去にチャンピオン牛を何度も出した中西牧場の中西牧場主はそう語る。ものにもよるが、店頭価格はサーロインで100グラム5000円程度という高級品。コロナ禍により「特別なときのお肉」を食べる場がなくなっているのだ。