革新を起こすと期待されたオープンイノベーション。だが目に見えた成果が上がっていないとの声が多い。世界の先進企業の間では、「革新の種は社内にまき、育てる」戦略が目立ち始めた。日経ビジネスは4月6日号特集「種は社内にある イノベーションの新作法」でこうした動きを取り上げた。

 「社内にない知見を取り込むことで、新しい価値を生み出す。聞こえはいいが、やってみると簡単なことではない」。ITベンチャーとのオープンイノベーションを手掛ける大手製造業の担当者は、こう打ち明ける。

 イノベーション不足と言われて久しい日本の産業界。現状を打破しようと、大手企業を中心にここ数年、オープンイノベーションが横並びで加速している。オープンイノベーションはカリフォルニア大学バークレー校客員教授のヘンリー・チェスブロウ氏が2003年に提唱した概念。「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること」だ。

シーメンスは知財分析を経営の柱に据えている(写真:AP/アフロ)

オープンイノベーションは成功例少なく

 日本でも10年代に入り、電機や自動車、機械などの製造業にとどまらず、金融機関や商社、鉄道会社などが外部と連携する拠点を開設。その多くは都市部にあり、イノベーション創出の総本山、米シリコンバレーを彷彿(ほうふつ)とさせる空間が広がる。大企業がパートナー企業に直接出資するコーポレートベンチャーキャピタルの数は250社を超えるなど、大企業がスタートアップと組むケースも目立つ。

 だが、イノベーションを生み出す「場」は整ったものの、オープンイノベーションから目立った成功例はあまり生まれていないという指摘は多い。

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