日本電産は21日、永守重信会長のCEO(最高経営責任者)復帰を発表した。関潤社長はCOO(最高執行責任者)に戻る。足元の業績は一見好調だが、原材料高やロシアのウクライナ侵攻による部材の調達難などで逆風が強まっている。創業者の永守氏の下、電気自動車(EV)用モーターを柱に急成長を狙う戦略を推し進める。日産自動車からスカウトした関氏は昨年6月、CEOになったばかり。カリスマ経営者の後継者問題はまた不透明になった。

 「関もなめられたものだ。こんなに株価が下がっとる」

 永守氏が筆者にこう話したのは、2021年4月末のことだった。同月22日、永守氏から関氏へのCEO交代を発表したが、直後から株価が下落を続けたのにいらだちを見せたのである。

 それから1年。永守氏は自らがCEOに復帰し、関氏をCOOに戻すことを発表した。

 CEO交代と同時に発表した2022年3月期連結決算は、売上高、純利益とも過去最高を記録したが、順風満帆とはいえない。新型コロナウイルスの感染拡大や、ロシアのウクライナ侵攻による原材料高やサプライチェーンの混乱で、第4四半期(1~3月期)だけを見ると第3四半期比で16.8%の営業減益となった。

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 日本電産株の21日の終値は8970円。21年末の1万3520円から5カ月足らずで約34%も下がった。「今の株価は耐えられない水準だ」。永守氏は記者会見でいらだちをあらわにした。

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