新型コロナウイルスの感染拡大に対する政府の緊急事態宣言は、日本経済にどんな影響を及ぼすのか。冷え込みが急激に厳しくなる日本経済の今と先行きを大和総研の熊谷亮丸・専務取締役チーフエコノミストに聞いた。
熊谷亮丸(くまがい・みつまる)氏
1989年、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。調査部シニアエコノミストなどを経て、2005年にメリルリンチ日本証券チーフ債券ストラテジスト、07年、大和総研入社。10年、チーフエコノミスト、14年に執行役員チーフエコノミスト。20年4月から現職

新型コロナウイルスの感染者の急増を受け、政府による緊急事態宣言が7日に発令されます。影響をどう予測していますか。

熊谷亮丸・大和総研専務チーフエコノミスト(以下、熊谷氏):緊急事態宣言によって、GDP(国内総生産)で約6000億円、首都圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)で約1兆4000億円縮小すると見ています。

 緊急事態宣言の下では、3月に成立した新型コロナウイルス対策特別措置法の言う「多数の者が集まる施設」である百貨店、スーパー、映画館、ホテル、展示場などへの使用制限・停止を要請し、実施されることになるでしょう(食品や医薬品などの生活必需品は販売できる)。鉄道の運行本数が減り、経済活動もさらに停滞するということを想定した場合です。

 試算の前提とした期間は1カ月半程度です。さらに大きな数字の予測もあるようですが、既にイベントなどの自粛要請は広がっており、新たに深刻化する分という予測です。

まずは生活保障、雇用維持、中小企業の倒産防止

経済対策も出ます。一定水準まで所得が減少した世帯に一世帯当たり数十万円の給付などが確実視されます。家計と企業、日本経済を救うカギはどこにありますか。

熊谷氏:大事なのは、政策を一度に集中させないで、3段階に分けて必要な手を打つことだと思います。当然ですが、感染症の拡大防止は終始強力に進める必要があります。それと平行して最初は、国民1人ひとりの生活保障、雇用維持、中小企業の倒産防止で国民の不安を無くすことです。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2141文字 / 全文2874文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「田村賢司の経済万華鏡」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。