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 「将来は医学部やビジネススクールも設置したい」

 日本電産創業者の永守重信会長CEO(最高経営責任者)が理事長を務め、京都先端科学大学を運営する永守学園と、京都学園中学・高校を運営する京都光楠学園が1日、2021年4月1日付けで合併することを発表した。京都先端大の永守理事長は中高大一貫教育を目指すと同時に、将来、同大学に医学部も設置し、総合大学として拡充していく考えを明らかにした。

合併を発表する永守学園の永守重信理事長(日本電産会長CEO、左)と京都光楠学園の佐々井宏平理事長(写真:太田未来子)

 「大学教育を改革したい」として、旧京都学園大学を運営する京都学園に約100億円の私財を投じた永守理事長は、19年4月に運営主体を永守学園に変更し、大学名も現校名に変えた。「現在の大学教育では、社会に出て即戦力になる人材を養成できない。英語も話せず、専門知識も十分ではない」(永守理事長)として、京都先端大では英語教育の時間を大幅に増やすほか、今月には工学部と大学院工学研究科も新たに設置。「これからの日本に必要な技術者養成を進める」(同)と改革を進めてきた。

 京都光楠学園は14年春、旧京都学園から分離した学校法人。運営する京都学園中学・高校も元は旧京都学園の傘下にあった。今回の合併合意で再び一体になることとなったわけだ。

将来は小学校設置も

 永守学園には、京都先端大のほかに幼稚園・保育園もあり、永守理事長は「認可次第だが、将来は小学校設置も考えている」と述べ、幼稚園・保育園から大学・大学院まで備え、さらに医学部、ビジネススクールも設けると打ち上げたことになる。

 幼児教育から大学・大学院までの一貫教育を進め、大学も拡充する裏には、永守理事長の人材育成への強い思いがある。「今の若者は、大学に入るための受験勉強だけで疲れ果てている。もっと自分の将来を自ら考えて行動できる人材を育成しなければだめだ」と永守理事長は主張する。

永守氏が私財を投じて改革を進める京都先端科学大学

 今後、「工学部の先生と中学・高校の教員が交流することもある。授業の中でテーマを設定し、科学的なものの見方や考え方を養うといったことも検討できる」(佐々井宏平・京都光楠学園理事長)という。京都先端大は工学部で英語による講義を設けるなど英語教育に力を入れている。加えて「中学・高校でも英語教育を増やしてもらえれば大学での教育につながりやすい」(前田正史・京都先端大学長)。中高生のうちから社会を深く知るために、日本電産の世界の工場見学なども希望があれば進めるという。

 医学部設置はまだ永守理事長の構想段階だが、目指すのは独自性のある教育体制作り。「環境がどのように変化しても自ら考え、行動するような強みを持った人材を養成したい」(永守理事長)としている。