新型コロナウイルスの感染者数が急増している米国。つい最近までアジアの感染症であり、対岸の火事と見ていたドナルド・トランプ大統領は約2兆ドル(220兆円)もの大型経済対策を決め、景気崩落を必死で防ごうとし始めた。その成り行きは、今秋の大統領選挙にも大きく影響する。米国経済と政治に詳しいみずほ総合研究所の安井明彦・欧米調査部長に、新型コロナが直撃する米経済とトランプ再選への影響を聞いた。
(写真:AP/アフロ)

トランプ政権は3月27日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている米経済を支えるために約2兆ドルの経済対策法を成立させました。それほど経済状況が悪くなっているということですね。

安井明彦・みずほ総合研究所欧米調査部長(以下、安井):事態は急速に悪化している。米労働省が26日に発表した前の週(3月21日までの1週間)の失業保険の申請者数は328万件に達した。その前の週までの約10倍で過去最高だ。

 宿泊、外食などサービス産業は、多くの地域で事実上営業ができないような状態で、レイオフが急増している。航空産業も大打撃を受けた。米国で最初の感染者が確認されたのは1月下旬だった。まだ、その当時は「アジアの感染症」といった見方をしていたように感じられたが、3月半ばあたりから感染者数が激増し、一気に危機感が高まった。

安井 明彦(やすい・あきひこ)氏
みずほ総合研究所 調査本部欧米調査部長 1991年東京大学法学部卒業、同年富士総合研究所(当時)に入社、97年在米国日本大使館専門調査員。みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長などを経て、2014年から現職。

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