シリーズ
田村賢司の経済万華鏡

29回
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東証再編があぶり出した経営力問題 事業再編・統治改革で鍛え直し
東京証券取引所の市場再編を受けて、新市場の上場基準に達していない企業にはもう後がない。抜本的な経営革新で成長力を示さないと市場からの退出を迫られる。だが低成長企業に対する東証の姿勢にもまだ「緩さ」が残る。
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成長か退出か、東証再編が迫る経営改革 崖っぷちの低成長企業
東京証券取引所の改革で4月、旧4市場は3市場に再編された。新たな上場基準に達していない企業は、上場維持へ改革を迫られている。投資家の関心は低く、売買金額もごく少ない低成長企業群は変われるか。上場基準に満たないまま新市場に…
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いらだつ日本電産永守氏がCEO復帰 逆風克服へ「即断即決」再び
日本電産は21日、永守重信会長のCEO(最高経営責任者)復帰を発表した。関潤社長はCOO(最高執行責任者)に戻る。原材料高やロシアのウクライナ侵攻による部材の調達難などで逆風が強まる中、創業者の永守氏が再登板する。日産自…
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自ら成長の芽を摘むロシア 原油・天然ガス、買い手の離反広がる
欧米はウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁を一段と強化しようとしている。ロシア経済を支える原油や石油製品の需要はこれまでの制裁で既に侵攻前から3割減ったようだ。ロシア経済の最大の柱である原油・ガス産業はどうなるのか。そ…
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プーチンも変えられず ロシア「資源一本足経済」のもろさ
ウクライナ侵攻の先行きは、ロシアへの経済制裁の効果にかかっている。デフォルトや通貨ルーブルの暴落に加え、原油の需要縮小など危機が迫る。旧ソ連崩壊以後、資源一本足経済を脱却できなかった結果でもある。
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ロシアが敵対国に仕掛けてきた狡猾な「ハイブリッド戦争」
ロシアによるウクライナへの侵攻は苛烈さを増しつつある。プーチン大統領は妥協の姿勢を全く見せない。「プーチンの戦争」とは一体なにか。実際の戦闘に、サイバー攻撃や政治的工作、テロ、犯罪行為、外交攻勢などを組み合わせる「ハイブ…
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ウクライナ侵攻の背景 プーチン大統領は米国を弱腰と見た
世界に衝撃を与えたロシアによるウクライナ侵攻。ロシアのウラジミール・プーチン大統領は核の使用もちらつかせる脅しをかけ、さらに圧力を強めるが、ウクライナ軍の抵抗も予想以上に強い。西側は、厳しい金融制裁に踏み切り対抗するが、…
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スキャンダル噴出の韓国大統領選 日本、米中との関係どう変わる
韓国の大統領選挙まであと1カ月を切った。保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長が、進歩(革新)系与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事をややリードしているが、なお予断を許さない。…
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EV心臓部で覇権狙う日本電産永守氏 3000億円投資に潜む緻密さ
日本電産を世界一のモーターメーカーに育てた永守重信会長が、電気自動車(EV)向けの動力装置で勝負に出ている。巨額の先行投資で2025年度をメドに足元の販売台数の約10倍に及ぶ生産能力を整備し、世界シェア4割を取るとぶち上…
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永守氏の後を継いだ日本電産・関潤氏「小型EV、日本でも需要増す」
6月22日、日本電産を世界一のモーターメーカーに育てた永守重信氏の後を継いで、関潤社長がCEO(最高経営責任者)に就任した。同社の成長のカギとなる電気自動車(EV)市場は2024、25年にも急拡大が始まり、市場は激変する…
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[独占]突然CEO交代 日本電産・永守会長が語った胸の内
日本電産が創業者・永守重信会長CEO(最高経営責任者)から関潤社長COO(最高執行責任者)へCEOの交代を発表した。1973年に同社を創業し、世界一のモーターメーカーに育てた永守会長は初めて経営の最高責任者を外れる。発表…
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緊急事態宣言下でも「ほとんどの業種で業績上方修正」のナゼ
新型コロナウイルスの感染拡大第3波で緊急事態宣言が発出されて約2週間。景気の落ち込みが不安視されているが、実態を細かく見れば業績を上方修正する業種も多い。中国など外需拡大の恩恵を受ける企業とそうでない企業。巨額の経済対策…
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日本電産・関社長「3年3割賃上げで生産性を5割高めたい」
新型コロナウイルスの感染拡大第3波で景気の先行きに再び懸念が広がるが、日本電産の関潤社長COO(最高執行責任者)は「いいところもある」と言う。電気自動車(EV)市場は、競争が激化する一方でかつての家電市場同様、部品メーカ…
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日米欧でデジタル通貨の動き活発に 中国の「ドルへの挑戦」を懸念
日本や欧米でデジタル通貨に関わる動きが活発化している。各国の中央銀行の動きの裏には、中国が突出して進めるデジタル人民元構想がありそうだ。デジタル通貨発行で何が起きるのか、中国の行動のどこに懸念があるのかを元日銀審議委員で…
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「得意の経済」でも支持拡大できなかったトランプ大統領
世界が注目した米大統領選挙は、民主党のジョー・バイデン前副大統領が当選を確実にした。ドナルド・トランプ大統領の「敗因」は、新型コロナウイルスの感染拡大への対応、人種差別問題などいくつも挙げられるが、得意のはずの経済も実際…
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ワクチン接種で混乱も コロナ対策、まだ残る法制の課題
新型コロナウイルス対応の焦点は経済と感染拡大防止をどう両立するかに移ってきた。第一波の感染拡大は、新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し、緊急事態宣言を発出するまでの法適用の混乱に一因があった。危機管理が専門の福田充…
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ビッグデータで分析 危機のたびに世界の企業を買う中国
最終コーナーを迎えた米大統領選の焦点の1つは対中政策。中国は、覇権国になろうとしているのか。米国、そして世界はどう対処するのか。ビッグデータを基に世界で起きる様々な事象を分析する水野貴之・国立情報学研究所准教授は、中国政…
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大田弘子氏「菅首相の規制改革、視点を供給者から利用者に」
菅義偉首相は規制改革とデジタル化推進を主要政策に掲げる。しかし、電子政府一つとっても20年来の課題だが、遅々として進まない。規制改革も政官業のトライアングルが抵抗勢力となってきた。どこに課題があるのか。どう進めればいいの…
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Go Toトラベル、「将来の旅行需要前借り」でテコ入れを
お盆の帰省も静かなものに終わり、論争を呼んだ「Go Toトラベル」も空振りになりつつある。新型コロナウイルスの感染拡大抑止は何より重要だが、経済との両立も無視できない。とりわけ苦しむ観光業などをどう救い、「ウィズ コロナ…
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米国との対立激化、「中国は香港の金融センター機能を諦める」
激化し続ける米中対立。中国は、新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く抑え込んだが、経済はまだ回復しきれない。香港問題は経済の低迷に拍車をかけかねないが、それでも中国は統治強化に突き進む。中国の政治・経済が専門の柯隆・東京…
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話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
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ファクトフルネス思考
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
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グルメサイトという幻
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この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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