収益力を超える債務を抱え、身動きが取れなくなる「過剰債務のわな」。 金融機関から追加融資を受けられず、優良な事業資産を生かす投資ができない。そうした悪循環をどう断ち切るか。いくつかの事例を通して、その方法を考える。

■本シリーズのラインアップ
コロナ融資で延命 過剰債務「ゾンビ企業」日本を揺らす
「打ち出の小づち」ゼロゼロ融資の後遺症 不良債権化に身構える銀行
上場企業にも債務の重荷 国際基準で浮かんだ126社
「企業の新陳代謝が人を救う。今度こそさらば昭和」冨山和彦氏
・さらば「過剰債務のわな」 佐渡汽船の再出発、支えたみちのりHD(今回)

 2022年3月、佐渡島と本土を結ぶ唯一の定期航路を運航する佐渡汽船(新潟県佐渡市)が再出発した。

 1913年創業の同社は、第三セクターのはしりとして島の交通を支えていたが、人口減少と高齢化が進み、収益環境が悪化していた。そこにコロナ禍が直撃し、2021年12月期は3期連続の最終赤字と約22億円の債務超過に陥っていた。

 法的整理に入り航路が止まれば地元経済の混乱は避けられない。地元自治体やメインバンクの第四北越銀行らによるスポンサー探しの結果、決まったのが地域振興のコンサルティングなどを手掛ける経営共創基盤(東京・千代田)グループのみちのりホールディングス(HD)だった。

 みちのりHDのトップは、00年代初めに産業再生機構で数々の再生案件を手掛けた松本順氏。「将来の事業価値に応じた投資ができる水準まで負債を圧縮し、経営支援を施せば、企業は再成長に向けて走り出せる」が持論だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2119文字 / 全文2804文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「諸行無常の金融まんだら」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。