企業再生のスペシャリストは、過剰債務を抱える「ゾンビ企業」とどう向き合うべきだと考えているのか。経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏に聞いた。

■本シリーズここまで
コロナ融資で延命 過剰債務「ゾンビ企業」日本を揺らす
「打ち出の小づち」ゼロゼロ融資の後遺症 不良債権化に身構える銀行
上場企業にも債務の重荷 国際基準で浮かんだ126社
・「企業の新陳代謝が人を救う。今度こそさらば昭和」冨山和彦氏(今回)

[とやま・かずひこ]ボストン・コンサルティング・グループなどを経て2003年産業再生機構の最高執行責任者。07年経営共創基盤を設立し最高経営責任者。20年10月に同グループ会長。20年に地方創生のための投資・事業経営会社、日本共創プラットフォームを設立(写真:陶山勉、以下同じ)
[とやま・かずひこ]ボストン・コンサルティング・グループなどを経て2003年産業再生機構の最高執行責任者。07年経営共創基盤を設立し最高経営責任者。20年10月に同グループ会長。20年に地方創生のための投資・事業経営会社、日本共創プラットフォームを設立(写真:陶山勉、以下同じ)

過剰債務を抱えた「ゾンビ企業」が増加する懸念が高まっています。どう対処すべきでしょうか?

冨山和彦・経営共創基盤グループ会長(以下、冨山氏):内部環境的にも外部環境的にも、企業の新陳代謝を進めるべきだというのが私の持論で、そこに尽きます。

 (新型コロナウイルス禍という)危機的状況ではいったん新陳代謝を止めなくてはいけないのは仕方がないですが、危機的な状況が終わった後には新陳代謝が進みやすい状況が生まれているわけです。

 過去の日本の失敗は、危機が起きるたびに新陳代謝を止めて現状維持を図って引っ張ったことです。過去30年間、先進国の経済構造、産業構造は劇的に変わってしまいました。デジタル革命という産業革命に似た現象が起きた。少なくともエネルギー大量消費、大量生産、ローコストの勝負をやってモノを作ってももうからず、貿易赤字が常態化しています。足元ではグリーンイノベーションも始まりました。この30年間一貫しているのは、不連続な変化が続いて、日本はそれに立ち遅れてしまっていることです。

 つまり、その変化が日本で起きなかったせいで、相変わらず賃金は低く、経済成長せず、CO2はたくさん排出、ということになっている。バブル崩壊から東日本大震災も含め4つくらい危機がありましたが、結果的に金融とか不動産以外は昭和の産業モデルを温存してしまったのです。今回はさすがに同じ過ちを犯さない方がいいのではないでしょうか。

過去のソフトランディング論と今回の局面はどう違うのでしょう?

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3665文字 / 全文4521文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「諸行無常の金融まんだら」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。