(写真:共同通信)
(写真:共同通信)

 国内メガバンクグループの2021年4~6月期決算が出そろった。当期の純利益は、各社とも前年同期比の2倍以上となり、復調した。新型コロナウイルス禍で経営が悪化する企業の倒産を見込んであらかじめ計上する貸倒引当金などの与信コストが減ったのが要因だ。

 利益は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前年同期比2.1倍の3830億円、みずほフィナンシャルグループが2倍の2505億円、三井住友フィナンシャルグループが2.4倍の2032億円となった。銀行ベースの純利益は、三菱UFJ銀行が1408億円、三井住友銀行が1165億円、みずほ銀行が936億円だった。

三菱、モルガンの利益を享受

 好調なのは三菱UFJFGだ。傘下の三菱UFJ銀で、取引先の業績が回復して焦げ付きに備えた与信コストが不要になって戻ってくる「戻り益」が191億円あったことも大きいが、持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーの業績が好調だったのが利益を底上げした。

 グループ全体の純利益(3830億円)の内訳は、三菱UFJ銀が1408億円、モルガンが1406億円。利益ベースで、モルガンがグループの中核銀行に匹敵する規模となっており、グループの総合力を見せつけた格好だ。

 一方、株価の反応は鈍かった。「モルガンや株式売却益などで利益を出しており、見た目ほど本業の利益が良いとは言えない」(国内アナリスト)という声もある。感染力の強いインド型(デルタ型)の新型コロナウイルスが流行しており、経済回復は今後想定通りに進まない可能性がある。先行きの不透明さを嫌う投資家が、リスクを取るのを避けて銀行株の購入を手控えることも想定される。

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