クレジットカード不要の「BNPL(buy now pay later)」と呼ばれる後払い決済の利用が国内外で急伸している。スマートフォンで簡単に商品購入ができ、クレジットカードを使いたくない若年層から支持を集めているからだ。国内では、企業価値が10億ドル(約1100億円)以上の未上場企業「ユニコーン」の仲間入りを果たしたPaidy(ペイディ、東京・港)がある。クレジットカードとの違いは何なのか。何が支持されているのか。ペイディの杉江陸社長兼CEO(最高経営責任者)に聞いた。

参考記事:キャッシュレス決済の新潮流「BNPL」 クレカ不要で後払い

<span class="fontBold">杉江陸(すぎえ・りく)氏</span><br>1971年生まれ。東京大学教養学部卒業後、富士銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)入行。06年、GEコンシューマー・ファイナンス(現・新生フィナンシャル)入社。12年に新生フィナンシャルの社長兼CEO。17年11月から現職
杉江陸(すぎえ・りく)氏
1971年生まれ。東京大学教養学部卒業後、富士銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)入行。06年、GEコンシューマー・ファイナンス(現・新生フィナンシャル)入社。12年に新生フィナンシャルの社長兼CEO。17年11月から現職

後払い決済(BNPL)の利用が増えています。同じ後払いのクレジットカード事業との違いは何でしょうか?

杉江陸・ペイディ社長(以下、杉江氏):後払いの代表格はクレジットカードです。しかし、クレジットカードのビジネスモデルは、金利収入があるのが肝です。顧客に一定の与信枠を与え、例えば、収入が30万円でも、100万円、200万円の買い物ができるようにして、その借金を少しずつ返していくという「オープンエンド」のモデルを構築しています。

 一方、BNPLのモデルはそれとは異なります。1990年後半から2012年ごろまでに生まれた20代前半までの「Z世代」を主なターゲットに、長期間分割払いをさせるのではなく、スマホを通じて短期間で支払いしていただくサービスを提供しています。また、「これを買うなら一括払い、あれは分割払い」など、利用者が自ら支払い方法を選択できるのも特徴です。

ペイディは携帯電話とメールアドレスで利用額を翌月にまとめて後払いすることができる
ペイディは携帯電話とメールアドレスで利用額を翌月にまとめて後払いすることができる

若者は使い分けている

BNPLが若い世代に支持を得ているのはなぜですか?

杉江氏:金利がかからず、資金の出し入れができて、無理なく自分のお金を管理できる点が響いたのでしょう。我々は金利相当分を加盟店に負担してもらう形にしています。特に欧米は、毎月の支払額を一定にして、金利とともに返済する「リボ払い」が一般的です。一方、BNPLでは自分の払える範囲で資金管理しながら返済できるのです。

 Z世代もクレジットカードを持っている人は多く、BNPLをうまく使い分けている印象です。クレジットカードは、デジタルとの相性が比較的悪いんですね。例えばネット通販で購入する際、多くの場合はカードを手元に置いて16桁のカード番号を打たなければいけません。暗証番号の流出を懸念する人もいます。BNPLでは、スマホで電話番号、メールアドレスなどを入力すれば簡単に購入できます。こうした使い勝手の良さが支持されています。

 通販サイトなどを運営する店側としても、高額なものをなかなか買ってくれないとき、BNPLによって消費者が無金利・分割払いで買ってくれる可能性が出ます。ですから、支払い方法の選択肢を増やすためにBNPLを導入いただいている店は増えています。ペイディの利用者登録者は約550万人で、約70万のネットサイトで利用が可能です。利用者、導入店舗は年々増えています。

若者の中でどのような方が利用しているのですか?

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1431文字 / 全文2689文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「諸行無常の金融まんだら」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。