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 「これまでは経営不振の地方銀行を救済する存在としてのイメージだったが、まさか地銀の雄である横浜銀行とも組むなんて。これからSBIに提携してもらおうという地銀がドンドン押し寄せるのではないか」。ある地銀幹部は、ネット証券などを傘下に置くSBIホールディングスが実現させた新しい地銀連携の形に驚きを隠せない。

 横浜銀、東日本銀行を傘下に置くコンコルディア・フィナンシャルグループは、SBIが設立予定の地銀の地方創生を後押しする新会社「地方創生パートナーズ」(東京・港)に出資すると発表した。

(写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)

コンコルディアが方針転換

 新会社の資本金は5億円を見込み、SBIが過半を出資する。既に、新会社には、山口銀行を傘下に置く山口フィナンシャルグループ、新生銀行、日本政策投資銀行がそれぞれ出資すると表明していた。ここに4社目として名乗りを上げたのが、コンコルディアだ。

 コンコルディアの資産規模は19兆円弱。神奈川と東京を中心に首都圏が主な営業エリアで、言わずと知れた地銀の代表格だ。実質的に、第一地銀の横浜銀が第二地銀の東日本銀を統合する形で2016年4月、持ち株会社として設立された。

 19年7月には、グループ中核の横浜銀が、千葉銀行と中小企業向けの金融支援サービスなどで業務提携した。「あのライバルのトップ地銀同士が業務連携するなんて」「2行の連携を軸に、全国で再編が加速するのか」などと話題を呼んだが、コンコルディアがこだわっていたのは、あくまで関東というエリアで存在感を高めることだ。

 それは、19年末の日経ビジネスのインタビューで、当時コンコルディア社長だった川村健一氏が語ったこの言葉にも集約されている。

 「横浜銀の成長戦略の一つは東京をどう取り込むかなんです。我々としては関西にいこうとは思いません。(業務提携をした)千葉銀さんとは、そういう面では、近くて親しい。再編が広がるなら、親和性の強い関東が良いと思います」(日経ビジネス2019年12月16日号、編集長インタビュー

 今回のコンコルディアによる新会社への出資は、営業エリアに縛られないインターネットでの金融ビジネスで強みを持つSBIと連携する形になり、従来の考え方の枠にとらわれない姿勢を示したといえる。