みずほ銀行の加藤勝彦頭取が、日経ビジネスのインタビューに応じた。システム障害で明らかになった「モノ言わぬ社風」を改革しつつ、移り変わりの激しいビジネスに機動的に向き合う。そんな難易度の高いミッションに挑む覚悟と、思い描く今後のビジョンを語った。

加藤勝彦(かとう・まさひこ)氏
加藤勝彦(かとう・まさひこ)氏
1988年、慶応大を卒業し富士銀行(現みずほ銀行)に入行。ハノイ支店長、ソウル支店長、常務執行役員(営業担当)、副頭取などを経て2022年4月から現職。名古屋市出身。57歳。(写真:北山 宏一)

2021年から続いたシステム障害の波が、やっと収束してきました。業務改善計画が順調に進んでいる表れでしょうか。

加藤勝彦みずほ銀行頭取(以下、加藤氏):社員には折に触れて「顧客目線に立った経営を実現するため、現場と緊密にコミュニケーションを取りたい」と伝えています。社員が意見を出しやすくなるよう、本部に「提言ポスト」を作り、各営業店にはコミュニケーターを配置しました。施策を出す際はパブリックコメントを集める仕組みも整えました。

 その結果、社員から1カ月あたり2000~3000件の声が上がるようになりました。さらに9月には、カスタマイズしたアプリケーションを使い、SNSに広がっている顧客の反応を含む社内外の要望を可視化・分析し、迅速に対応する共有システムを立ち上げます。

 求められている社風改革は、やはり社員の気持ちを大事にして進めています。例えばリテール・事業法人部門の営業店をエリアごとに12分割し、3カ月に1回は全社員と話す機会を設けたところ、すでに7000人くらいが参加してくれました。もちろん本部のスタッフとも座談会形式で意見を交換しています。みずほフィナンシャルグループ(FG)は全体で信頼回復に努めていますが、銀行は中核企業としてより主体的に広く、深くやっていきます。

5月いっぱいまで支店に掲げたポスターでは、木原正裕みずほFG社長とツーショットで肩を並べて会話していました。近年のメガバンクでは見かけないカットは、どんな狙いがあったのですか。

加藤氏:我々は信託銀行や証券を含め、FG全体で顧客にサービスを提供していますが、やはり銀行とグループのトップが密接に何でも話し合える間柄であることをメッセージとして送りたいと考えたのです。木原は当初、遠慮していましたものの、私が説得したら応じてくれました。もちろん信託銀行、証券のトップとも近い関係を築けています。

支店の目立つ場所に掲示された、加藤勝彦みずほ銀行頭取と木原正裕みずほFG社長のポスター
支店の目立つ場所に掲示された、加藤勝彦みずほ銀行頭取と木原正裕みずほFG社長のポスター

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