国内3メガバンクグループの2021年3月期決算が出そろった。

 連結純利益は、三菱UFJフィナンシャル・グループが7770億円で増益、三井住友フィナンシャルグループが5128億円で減益、みずほフィナンシャルグループが4710億円で増益だった。海外の証券市場部門が好調だったことや、コロナ禍で手元資金を手厚くしたい企業への貸し出しなどが増えたのが増益の主な要因だ。

 ワクチンなどの普及で日本経済が回復に向かうことなどを前提に、3社とも22年3月期は増益を見込んでいる。

今年3月、システム障害で利用停止となったみずほ銀行のATM(写真:共同通信)

 目を引くのが、みずほFGの業績回復だ。20年3月期の連結純利益はみずほFGが4485億円で、三井住友FGが7038億円、三菱UFJFGが5281億円だった。「3位が定位置」といわれてきたみずほと2位との純利益の差は、20年3月期の796億円から418億円へと縮小。今年の2月以降、システム障害を連続4回起こし、信頼を損ねたグループに対する世間的な印象とは異なり、財務上は健闘している。

コア業純で三菱UFJ銀上回る

 みずほFGは19年3月期、勘定系システムで4600億円の減損、外国債券の簿価と時価の差である含み損益1800億円の減損処理などによって、計約6800億円の損失を計上した。「先行して同様の処理を実施していた他メガと比べて、周回遅れの対応」とやゆもされたが、その後、財務改善は一気に進んだ。

 グループ傘下の中核である21年3月期の銀行単体決算でみても、本業の稼ぐ力の一つとされるコア業務純益は、三井住友銀行が5851億円、みずほ銀行が5371億円、三菱UFJ銀行が2714億円となっており、みずほ銀が三菱UFJ銀を上回った。みずほグループは力をつけている印象だ。

 だが、そんな見方に異論もある。「よく見れば、みずほの業績が他2グループに肉薄したとまでは言えない」。こう語るのは、ある金融関係者だ。

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