みずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長が、日経ビジネスのインタビューに応じた。システム障害の連鎖で失った社会の信頼を、どう取り戻すのか。今後の経営計画とともに、トップとしての覚悟とビジョンを語った。

木原正裕(きはら・まさひろ)氏
木原正裕(きはら・まさひろ)氏
1989年、一橋大学を卒業し日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。みずほ証券でリスク統括部長や財務企画部長、みずほFGで常務執行役員やグローバルプロダクツユニット長などを務め、2022年2月から現職。メガバンクグループで初の平成入行組トップとなった。実弟は木原誠二官房副長官。東京都新宿区出身。56歳。(写真:吉成 大輔、以下同)

前倒しで社長に就任してから3カ月になります。

みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長(以下、木原氏):グループを統括する立場になり、例えばリテール部門が抱える課題、営業店体制の変更で生じた課題などが見えてきました。会社自体が少しずつ変わり始めているという実感もあります。

2021年から相次いだシステム障害を巡る業務改善計画の進捗を、どう自己評価しますか。

木原氏:ここまでは十分に進んでいると思います。重要なシステムから、トラブルの予兆管理を担う機器類の保守や、バックアップ体制の検証を進めています。障害の発生時に、顧客への影響を極小化して事業を継続する流れも細かく作り込みました。また現場の実態把握が稚拙だった反省を踏まえ、IT部門の要員の「質と量」を充実させました。

 もちろん計画に終わりはありません。日々の業務運営の中で、やるべきことを見つけて対応し続けていく覚悟です。

障害の背景として、金融庁は「積極的に声を上げにくい企業風土」を挙げました。根深い問題ですが、変えられますか。

木原氏:現場の意見を経営に生かす取り組みを進めていて、すでに600件の提案が寄せられました。風通しは良くなってきている手応えはありますが、まだ2、3合目という感覚です。

 社内で言いたいことは言うべきです。何かを言って新しい芽が出てきて成果につながれば評価しますし、すぐに成果に結びつかなくても地道に活動を積み重ねる社員も認めます。個人が気づきを抑え込まずに自由に発信し、それを組織が受け入れ、議論して新しいものを作っていく。みずほが成長する源泉として、これはとても重要です。

人事制度にも改善の余地がありそうですね。

木原氏:みずほはグループ会社の大きなフィールドをつないで、さまざまなソリューションを提供しています。社員がその中で自由に移動できるよう仕組みをつくることが重要です。

 例を挙げると、「One MIZUHO」を掲げてはいるものの、銀行と証券で人事制度は違うわけです。これまで以上に社員が自由に自分の意思で動いてキャリアを追求できるようになるよう、枠組みを整えているところです。

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