4月1日に就任した三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が、日経ビジネスのインタビューに応じた。在宅勤務の恒常化など、アフターコロナの新しい働き方を踏まえ、東京・丸の内の三菱UFJ銀本店を建て替えると表明。グループの新拠点として、銀行だけでなく、三菱UFJグループの信託、証券との一体化を進める意欲を示した。新型コロナによる影響を踏まえた今後の経営方針を聞いた。

半沢淳一(はんざわ・じゅんいち)氏 三菱UFJ銀行頭取。1988年東京大学経済学部卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)。経営企画部長、名古屋営業本部長などを歴任し2019年6月から取締役常務執行役員(コンプライアンス統括部などを担当)。21年4月から現職。56歳。埼玉県出身。 テレビドラマの主人公、半沢直樹と同じ名字の頭取誕生で話題に(写真:吉成大輔)

13人抜きの頭取就任が話題となりましたが、抱負は?

半沢淳一・三菱UFJ銀行頭取(以下、半沢氏):コロナ禍ですので、取引先への資金繰り支援を中心とした金融サービスを提供することを通じ、顧客と社会を支えたいです。4月からグループの新たな中期経営計画がスタートします。中計では3年後の目指す姿として「金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー」を掲げました。

 足元のデジタルシフト、または環境・社会問題に対する意識の高まりなど、社会が大きく変わる中、顧客をはじめとするステークホルダー(利害関係者)が、その変化を乗り越え、新たなステージへ移ろうとしています。我々はこの動きに対して力になるべく、自分たちも自ら変わりながら共に挑戦していく必要があります。

コロナ禍でデジタル化が加速しています。

半沢氏:コロナ禍で有人店舗への来店客はこの5年間で約半分になった一方、スマートフォンなどを介したインターネットバンキングの取引は同時期で2.5倍になりました。顧客起点で利便性の高い非対面でのビジネスモデルをしっかりと作り上げ、デジタルを活用して業務事務プロセスを徹底的に効率化しながら、それを通じた事業基盤の強化に取り組みます。我々への信頼・信用や人材、経営基盤、グローバルなネットワークという強みが我々にあります。これにデジタルを組み合わせて磨きをかけたいです。

 中計の企業変革のための主要戦略は大きく3つあります。「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「環境・社会課題への貢献」「カルチャー改革(スピードと挑戦する文化の醸成)」です。具体的な主要成長戦略としては、個人においては富裕層への資産管理サービス「ウェルスマネジメント」、法人取引は「経営課題解決型アプローチ」で付加価値を提供していきます。一方、経営の強靱(きょうじん)性確保のために構造改革も進めます。経費やリスクアセットのコントロール、プラットフォーム改革、ROE(自己資本利益率)向上のための事業ポートフォリオの見直しを継続的にします。

 環境・社会課題への対応では、足元で気候変動や政府のグリーン成長戦略という流れがある中、環境問題というだけでなく産業政策や産業構造まで話が広がっていますので、これに対して顧客でいろいろな動きが出始めています。それに対して中長期的な視野を持ち、顧客に寄り添い、対応したいです。

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