2020年4月1日に全国銀行協会会長に就任した三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取は、日経ビジネスのインタビューに応じ、新型コロナ感染拡大の影響で資金繰りに苦しむ企業の支援について「迅速、適切かつ柔軟に行うことを最優先にし、この難局を乗り切りたい」と語った。新型コロナによる銀行経営への影響について「最近は不良債権比率が低位に推移しており、金融機関の経営不振が相次いだ08年のリーマン・ショック当時の状況と比較して各行の危機対応力は高い」と述べ、経営の健全性は維持できるとの見通しを示した。

1979年、慶応大卒業、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。87年米ペンシルベニア大ウォートン校MBA(経営学修士号)取得。東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)企画部部長などを経て、2016年三菱東京UFJ銀行(同)副頭取、17年頭取。19年4月から持ち株会社社長を兼務。20年4月からは持ち株会社副会長、全国銀行協会会長に就任。63歳。
新型コロナウイルスの感染が広がる中、4月1日に全国銀行協会会長に就任しました。銀行界の置かれた現状をどう認識していますか。
三毛兼承・全国銀行協会会長(以下、三毛氏):何と言っても、今は新型コロナ感染への対応が最優先です。銀行界は、社会の礎として金融サービスを通して、取引先企業や社会を支えることが責務であり、社会的使命であると考えています。
取引先、従業員の安全と健康を確保しながら、業務は継続していきたいと思います。そして新型コロナで影響を受けた顧客の資金繰りに重大な支障が生じないよう資金面などの相談に迅速、適切かつ柔軟に応えることに万全を期します。とにかく今はこうした対応で難局を乗り切りたいです。
新型コロナによる経済への影響は、08年の金融危機「リーマン・ショック」以上のインパクトがあるとの指摘もあります。どの程度の影響が出るとお考えですか。
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