3月5日、社員が相場操縦容疑で逮捕されたことを受け記者会見で謝罪する近藤雄一郎社長(右)ら幹部(写真:つのだよしお/アフロ)
3月5日、社員が相場操縦容疑で逮捕されたことを受け記者会見で謝罪する近藤雄一郎社長(右)ら幹部(写真:つのだよしお/アフロ)

 「市場の信頼を揺るがしかねない事態を引き起こしたことを重く受け止め、深く反省している」。SMBC日興証券の幹部らが金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で東京地検特捜部に逮捕された問題について、同社の近藤雄一郎社長は3月5日に開いた記者会見でこう謝罪した。

 嫌疑の対象となっているのは、2019年12月から20年11月の間に行われた東証1部上場の5銘柄に関する取引。市場が閉まる直前に大量の買い注文を入れ、その終値を不正に安定させようとした疑いがもたれている。

 この5銘柄は「ブロックオファー」と呼ばれる取引の対象でもあった。大株主から売却意向があった株式を市場外取引を通じていったん証券会社が買い取り、それを不特定多数の投資家に売却する取引で、買い取り価格と売却額の差額が証券会社の利益となる。

 売却額は取引日と決めた日の終値を基準に設定されるが、終値が低すぎると売り手側が売却を見送る可能性がある一方、高すぎると買い手がつかなくなり、証券会社が在庫を抱えてしまう。

 ブロックオファー取引を当初の予定通り約定させ、買い取った株式を売り切るには「安すぎず、高すぎず」の株価水準が前提となる。SMBC日興は、売り手が株式売却を中断することのないよう、自己売買の資金を使って株式を購入。株価を不当に買い支えていたものと見られている。

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