システム障害続発の責任を取り、トップが交代したみずほフィナンシャルグループ。木原正裕社長が就任し、問題の真因とされた社風改革に取り組んできた。改革は次の段階に進み、人事制度改革を通じたグループ内の連携、脱炭素やスタートアップ支援など新領域の開拓を狙っている。

■連載ラインアップ
みずほFG、負の連鎖は止まったか 就任1年、木原改革の現在地
・みずほFG、さらば年功序列 人事改革で磨く「One MIZUHO」(今回)
・木原社長が語るみずほの使命「日本の国力復活へ、原点に立ち戻る」(予定)

 みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、シンクタンクのみずほリサーチ&テクノロジーズの計5社は、2024年4月に人事制度を統一する方針を決めた。

 年功序列型の給与体系を実質的に廃止し、個人の貢献や挑戦が報われる役割給を導入。成果を反映した賞与を受け取れるようにする。「かなで」と名付けられた新制度について、チーフ・ピープル・オフィサー(CPO)として設計に携わった秋田夏実氏は「社員が自立し、個人で輝く会社にしていく土台になる」と意気込む。

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 みずほはFG設立以来、「One MIZUHO」をスローガンに施策を打ち出してきた。3メガバンクグループの中で、銀行と信託、証券の連携をいち早く掲げたのもその一環。かなではそうした取り組みの集大成ともいえる。

1999年、3行統合による「みずほフィナンシャルグループ」を創設し、握手する(左から)富士銀行・山本恵朗、第一勧業銀行・杉田力之、日本興業銀行・西村正雄の3頭取(写真=共同通信)
1999年、3行統合による「みずほフィナンシャルグループ」を創設し、握手する(左から)富士銀行・山本恵朗、第一勧業銀行・杉田力之、日本興業銀行・西村正雄の3頭取(写真=共同通信)

 みずほFGはグループ内で「カンパニー制」を採用し、各社間の垣根を越えてセグメント別に戦略を共有して事業に臨んできた。さらにセグメントも越えて活動するために、共通の人事プラットフォームが果たす役割は大きい。

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