1990年代後半の金融不安時に新聞社の金融行政担当として霞が関に足を踏み入れました。気づけば20年以上、隣接する永田町を含む権力の中枢の日常をウオッチしてきたことになります。首相官邸や与党はどんな政策や外交を考え、主要官庁はどう対応していくのか。これからもキーマンの本音を盛り込みながら最新の動向をお届けします。(写真:PIXTA)
シリーズ
安藤毅の「永田町・霞が関のホンネ」

60回
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物価高騰の緊急対策、財源巡り自民・公明が綱引き その舞台裏とは
原油や物価の高騰を受けた緊急対策の財源を巡り、自民党と公明党の綱引きが続いている。両党幹部間のパイプが細くなる中、公明は支持母体の強い意向を受けており、先行きは不透明だ。
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岸田政権の経済政策が迷走気味、要因は「司令塔不在」
岸田文雄政権の経済政策が迷走気味だ。年金受給者らへの1人当たり5000円給付案は与野党からの根強い異論を踏まえ白紙に戻して見直すことに。物価高への緊急対策を巡っては公明党が2022年度補正予算案を編成して今国会で成立させ…
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ウクライナへの「ロシアの暴挙」で浮き彫り、脆弱な日本の安全保障
ロシアのウクライナ侵攻という暴挙に対し、日米欧は経済制裁を強め、企業がロシアでの事業から手を引く動きも広がってきた。そうした中、日本はサイバー攻撃やエネルギー価格の高騰など安全保障上の課題に直面し、迅速な対応と戦略の見直…
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ウクライナ危機、岸田政権が対ロシア追加制裁で米欧と協調する理由
岸田文雄首相は2月25日午前に記者会見し、ロシアによるウクライナ侵攻について「力による一方的な現状変更の試みであり国際法違反だ。断じて許容できず、厳しく非難する」と語った。「我が国の安全保障の観点からも決して看過できない…
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無党派層が離れ出した岸田政権、高まる「後手」批判
報道各社の世論調査で、岸田文雄内閣の支持率が下がり出している。新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の遅れなど新型コロナ対応への不満を背景に、主に無党派層の支持が離れている。
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守り徹底の岸田首相、懸念材料はコロナ対応と「自民党内の不満」
臨機応変に「火種」を早めに消す対応で支持率が堅調な岸田文雄政権。だが、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大に検査や診療が追いつかない状況が深刻化。自民党内では中国の人権状況に関する国会決議などに不満が出て…
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「臨機応変」で高支持率の岸田政権、カギは「新型コロナと経済」
岸田文雄首相が就任から3カ月を迎えた。世論調査で昨年12月の岸田内閣の支持率は発足時から軒並み上昇。政策面で問題が生じた際に速やかに修正を図る姿勢などが評価につながっている。今夏の参院選を乗り切ることを最重視する首相は、…
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政治家はなぜ「会う姿」を見せるのか
岸田文雄首相や自民党の派閥領袖らが会食や会談を重ねるさまが注目を集めている。意見交換や関係強化といった狙いに加え、「会う姿」をあえて見せることで存在感が高まり、今後の政局を占う舞台装置にもなっている。
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10万円給付「年内現金一括」容認、「聞く力」か「迷走」か
18歳以下への10万円相当の給付を巡り、政府が地方自治体の判断で年内に全額現金で一括給付することも容認することになった。年内に5万円を現金で、2022年春に残りの5万円相当をクーポンで支給することを想定していたが、事務負…
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「役に立つと思われていない」 党内から漏れる立憲民主低迷の背景
立憲民主党の新代表に泉健太氏が就任し、新体制が船出した。低迷する党勢の回復や来年夏の参院選への対応など多くの課題が待ち受ける。「批判ばかり」のイメージから「政策立案型政党」への転換を掲げる泉氏の下、いかに「変わった感」を…
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岸田政権で「首相官邸主導」はどう変わるのか
「首相官邸主導」と評された安倍晋三政権と菅義偉政権での政策決定システムから自民党の関与を増やす方式への転換を唱える岸田文雄首相。官邸と自民党、政府内の政策調整の仕組みはどう変わっていくのか。
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「10万円相当給付」に賃上げ 「目に見える成果」を急ぐ岸田首相
衆院選を経て第2次岸田文雄内閣が発足した。岸田首相は経済対策の柱となる18歳以下への10万円相当の給付を巡る公明党との協議を早期に決着。看護師や介護士、保育士などの賃上げに向けた検討も急ぐ。来年夏の参院選を見据え、「目に…
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自民「絶対安定多数」、立民議席減 「風無き選挙」が映す与野党の不安
第49回衆院選は10月31日投開票され、自民党は公示前の276議席から減らしたものの、単独で国会の安定運営に必要な「絶対安定多数」を確保した。立憲民主党は多くの選挙区でほかの野党と候補者を一本化して選挙戦に臨んだが、議席…
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衆院解散、31日投開票へ 「異例の短期決戦」はここが注目
衆院は14日に解散され、与野党は今月19日公示、31日投開票の衆院選に向けて事実上の選挙戦に突入した。岸田文雄首相は就任して10日後の解散を選択。解散から投開票までの期間も戦後最短で、異例の短期決戦となる。新型コロナウイ…
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岸田内閣発足、「期待で選挙」へ 火種は「安倍氏の不満」
自民党の岸田文雄総裁は4日の国会で第100代首相に選出され、岸田内閣が発足した。首相は自民党役員・閣僚人事で主要派閥への配慮と若手抜てきなど独自色のバランスに腐心したが、安倍晋三元首相が不満を漏らすなど火種がくすぶる。ま…
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自民党総裁に岸田氏、新政権の主導権は「3A」へ
自民党総裁選は9月29日、投開票が行われ、岸田文雄氏が決選投票で河野太郎氏を破り、第27代総裁に選出された。岸田氏は10月4日召集の臨時国会で第100代首相に指名され、同日中に新内閣を発足させる見通しだ。票固めに貢献した…
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自民党総裁選、「高市氏の支持拡大」でさらに混戦模様に
後半戦に入った自民党総裁選は1回目の投票でどの候補も過半数に届かず、決選投票になるとの見方が強まってきた。混戦の最大の要因は高市早苗氏が事前の予想より国会議員と党員・党友双方で支持を広げていることだ。
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自民党総裁選告示、支持を左右する「選挙の顔」と「安定感」
菅義偉首相の後継を選ぶ自民党総裁選が17日、告示された。河野太郎規制改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が立候補した。自主投票を求める若手議員の動きを踏まえ、党内7派閥のうち岸田派を除く…
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高市氏が自民党総裁選出馬表明、安倍前首相支援の内情
高市早苗前総務相が9月8日、自民党総裁選に出馬すると正式表明した。保守的な政治信条が近い安倍晋三前首相を中心に、かつて所属した細田派の一部や保守系議員が支持基盤となる。安倍氏が高市氏を支援する事情とは。
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菅首相退陣へ、総裁選出馬見送りの裏に「小泉氏の説得」
菅義偉首相は9月3日、今月行われる自民党総裁選に立候補しない考えを表明した。今月末に総裁任期が満了するのに伴い、首相を退任することになる。9月6日に予定していた党執行部人事の人選作業が行き詰まり、政権運営の継続が難しくな…
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