政府が物価高への対応を中心とする総合経済対策を決めた。民間投資などを加えた事業規模は71兆6000億円程度で、国の一般会計歳出は29兆1000億円、財政投融資などを含む財政支出は39兆円程度となる。昨年の経済対策に続く大盤振る舞いとなった背景には、内閣支持率低下に対する岸田文雄首相の強い危機感や政府・与党の調整機能の低下がある。

10月28日、総合経済対策について記者会見する岸田首相(写真=共同通信)
10月28日、総合経済対策について記者会見する岸田首相(写真=共同通信)

 政府は経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案を11月中旬に今国会に提出し、年内の成立を目指す。

 岸田文雄首相は10月28日の経済対策決定後に記者会見し、「今回の対策は『物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策』だ。物価対策と景気対策を一体として行い、国民の暮らし、雇用、事業を守るとともに、未来に向けて経済を強くしていく」と語った。

目玉は電気・ガス料金の負担軽減策

 今回の経済対策の中心となるのが、23年1月以降に始める家庭と企業向けの電気・ガス料金の負担軽減策だ。

 来年春以降に電気料金などのさらなる上昇が想定されることを踏まえた措置で、標準世帯の電気料金は2割程度、都市ガス料金で1割程度の負担抑制となる見通しだ。

 地方での利用が多い液化石油ガス(LPG)には直接の軽減策は講じず、事業者の検針業務などの効率化を支援し、値上げ幅を抑えるよう促す考えだ。

 また、ガソリン価格を抑えるため石油元売り会社に配る補助金は継続し、23年6月から段階的に縮小する方針だ。政府はこうした支援に計6兆円を投入し、23年1~9月に標準世帯のエネルギー関連支出は総額4万5000円程度減少すると見込んでいる。

 実は、電気・ガス料金の負担軽減策は、ガソリン価格を抑えるために石油元売りへ補助金を支給する制度を今年1月から導入する前後にも政府内で浮上し、見送られた経緯がある。

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