衆院は14日に解散され、与野党は今月19日公示、31日投開票の衆院選に向けて事実上の選挙戦に突入した。岸田文雄首相は就任して10日後の解散を選択。解散から投開票までの期間も戦後最短で、異例の短期決戦となる。新型コロナウイルス対策や経済政策などが争点になる見通しだ。これまでの政権運営の実績と新政権への期待をアピールする自民、公明両党と立憲民主党を中心に共闘を組む野党勢力による政権選択選挙となる。

(写真:共同通信)
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 衆院選は自民、公明両党が300を上回る議席を獲得して圧勝した4年前の2017年10月以来となる。与野党は小選挙区289、比例代表176の計465議席を争う。

異例ずくめの日程に

 今回の衆院選には幾つかの注目点がある。

 まずは異例ずくめの日程となったことだ。現行憲法下で初めて投開票日が任期満了日(10月21日)の後にずれ込んだ。

 また、岸田文雄首相が就任した10月4日から10日後の解散は戦後最も短い。さらに、解散から投開票までの期間も戦後最短の17日と、異例の短期決戦になる。

 政府・与党内では当初、10月26日公示、11月7日投開票の日程が有力視されていた。前倒しした理由について、岸田首相はこれまでの会見などで、「できるだけ早くコロナ対策、経済対策を行うために一日も早く国民の審判を仰がなければならない」と説明している。

 一方で、自民党総裁選と新政権発足により内閣支持率や自民党の政党支持率は菅義偉前内閣時と比べ回復が鮮明だ。岸田政権への期待が維持され、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いている間に投開票日を迎えるのが得策との思惑が透ける。

 「発足したばかりの岸田政権への批判には限界がある。4年ぶりの衆院選となるので、安倍、菅、岸田政権と続いた自公政権への評価や政治姿勢を問う形にした方がいい」。立憲民主党のベテラン議員はこう漏らす。

 立民の枝野幸男代表は、14日の街頭演説で、「新型コロナでこんなに日本の社会が傷んだ原因はアベノミクスだ。この9年間、成長できなかったことへの反省なしに経済は立て直せない」と主張した。

 選挙戦では、新型コロナウイルス対策やコロナ禍で深刻な影響を受けた経済の立て直し策などが争点となる見通しだ。衆院解散を受けて14日夜に記者会見した岸田首相は「今、時代は分岐点にある」として、今回の衆院選を「未来選択選挙」と位置付けた。

 そのうえで、「国民の大きな関心事はコロナ対策だ」と指摘。「現状に対してどう対応するのか、そして、この危機的な状況を乗り越えた先にどんな社会を見ていくのか、これが大きな争点になる」と語った。

 コロナ対応に関して首相は、今夏の「第5波」の2倍程度の感染力に対応できる医療体制をつくると表明。ワクチンの3回目接種について「12月に開始する」と述べ、経口治療薬の年内実用化も目指すと強調した。

 一方、立民は感染の封じ込めを重視。PCR検査体制と水際対策の抜本強化などを掲げている。

続きを読む 2/2 「分配」合戦の様相に

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