第210臨時国会が3日、召集された。8月の内閣改造や9月の安倍晋三元首相の国葬後初の本格的な国会論戦が行われる。政府・与党は物価高対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案などを早期に成立させることで内閣支持率の下落に歯止めを掛けたい考えだ。一方、野党は経済対策が効果的なものになるのかただすとともに、国葬を実施した首相の判断や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と閣僚や自民党との関係を追及する構えで、岸田文雄政権は「防戦」に追われそうだ。政権基盤がさらに揺らげば主要政策への影響は避けられそうにない。

 臨時国会の会期は12月10日までの69日間となる。岸田文雄首相は3日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、「日本経済の再生が最優先の課題だ」と強調した。

「経済再生が最優先課題」

 経済政策については(1)物価高・円安対応(2)構造的な賃上げ(3)成長のための投資と改革――の3つを重点分野として取り組んでいくと表明。具体策として電気料金負担の軽減策や、成長産業への労働移動を促すリスキリング(学び直し)支援に5年間で1兆円を投資する意向などを説明した。

国会で所信表明演説に臨む岸田文雄首相(写真=UPI/アフロ)
国会で所信表明演説に臨む岸田文雄首相(写真=UPI/アフロ)

 召集された臨時国会は8月の内閣改造や9月27日に営まれた安倍晋三元首相の国葬実施後初の本格的な国会論戦の場となる。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題などで内閣支持率の急落に見舞われた岸田政権は、物価高に対応する総合経済対策を10月末に取りまとめる予定だ。財源の裏付けとなる22年度第2次補正予算案を早期に成立させることなどで信頼回復につなげたい考えだ。

 だが、国葬後に行われた報道各社の直近の世論調査では岸田政権の「反転攻勢」が容易でない状況が浮かび上がる。

 読売新聞が10月1、2両日に実施した全国世論調査では、岸田内閣の支持率は45%と9月の前回調査より5ポイント低下し、政権発足後初めて不支持が支持を逆転した。両日に実施した朝日新聞の調査でも、不支持率が2カ月連続で支持率を上回った。いずれも政府の物価高対策や国葬への対応、旧統一教会問題などへの厳しい評価が支持率下落の要因とみられる。

 臨時国会の論戦では経済対策の中身のほか、引き続き旧統一教会問題が焦点となる。野党は特に教団との接点が相次いで発覚している山際大志郎経済財政・再生相への追及を強める構えだ。

 安倍氏の国葬を巡っては、岸田首相が9月29日に国葬の検証に向けて幅広い有識者から意見を聴取し、論点を整理する考えを表明した。こうした検証のあり方なども注目点になりそうだ。岸田首相周辺は「野党が勢いづいており、防戦国会になる」と警戒感をあらわにする。

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