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安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が8日、告示された。石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3氏が立候補した。14日の両院議員総会で新総裁を選出する。国会議員票で優位に立つ菅氏に対し、石破、岸田の両氏が巻き返しを目指す。総裁選後の政権運営や存在感維持をにらみ、地方票の行方が最大の焦点になっている。

(写真:共同通信)

 8日に行われた立会演説会と共同記者会見。菅義偉官房長官は「首相が進めてきた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めたい」と「路線継続」の姿勢を強調した。

菅氏は「規制改革を全力で進める」

 新型コロナウイルスへの対応を巡っては、感染防止と経済活動の両立を図る考えを改めて示した。経済政策について「アベノミクスを責任を持って引き継ぎ、前に進めたい」と語った。

 さらに独自構想として行政のデジタル化推進に向け「デジタル庁」の創設への意欲を表明。「行政の縦割りを打破し、悪しき前例主義を排し、規制改革を全力で進める。国民のために働く内閣をつくりたい」とアピールした。

 菅氏は周辺に「行政改革と規制改革を特にやりたい」と漏らしており、新政権を担うことになれば、この2本柱に注力していく可能性が大きい。

 一方、石破茂元幹事長は「グレートリセット」をキーワードに、安倍政権からの政策転換の必要性を訴えた。東京への一極集中を是正し、自らの得意領域である地方創生に重点的に取り組む意欲を示した。

 岸田文雄政調会長はアベノミクスを評価しつつ、「安倍政権の成果を土台に次の時代を考える」と表明。経済成長の恩恵が広く行き渡っていないとして、中間層の復活と格差の是正に向け、最低賃金の引き上げや教育費・住宅費負担の軽減策などに取り組む姿勢を示した。また、最先端技術を生かした成長戦略を策定する考えも表明した。

 なお、菅氏は新政権の閣僚や党役員人事について「適材適所だ。改革意欲のある人を優先として考えたい。専門的立場の人も優先した方がいい」と語った。

 衆院解散の時期に関しては新型コロナウイルスへの対応を最優先する方針を示したうえで「感染状況がどうかが大きく影響する」と表明。同日夜の民放番組では「こういう状況では、解散とかそういうことではない」と述べ、早期の解散に慎重な姿勢を示した。

 今回の総裁選は、安倍首相の退陣表明に伴い、「早急に次の体制を確立する必要がある」として全国一斉の党員・党友投票を見送る「簡易型」で実施される。党所属の国会議員票394、都道府県連に3票ずつ割り振った地方票141の計535票で争う仕組みとし、14日に投開票される。