自民党総裁選の幕が切って落とされた。内閣支持率の低下などで菅義偉首相への逆風が強まり、次期衆院選の顔を選ぶ戦いの行方は不透明だ。思惑や戸惑いが交錯する序盤戦の舞台裏とは。

(写真:PIXTA)
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 今回の自民党総裁選は9月17日告示、29日投開票で実施することが決まった。党所属国会議員1人1票の「国会議員票」383票と、「党員・党友票」383票の計766票で争われる。

 衆院議員の任期満了が10月21日に迫り、今回の総裁選は「選挙の顔」を選ぶ機会でもある。安倍晋三前首相の辞任表明を受け、全国一斉の党員・党友投票を見送った昨年の総裁選とは異なり、世論が反映されやすい党員の支持が重要になる。選挙基盤の弱い中堅・若手議員は、地元支援者の意向も踏まえつつ「誰が看板なら自分の選挙にプラスか」との観点で選びたいのが本音。党内では「派閥が方針を決めても、所属議員がまとまって行動するのは難しい」との見方が広がっている。

 こうした状況は再選を目指す菅義偉首相にとって逆風だ。新型コロナウイルス対応への不満などから内閣支持率は低迷。8月27~29日に日本経済新聞社が実施した世論調査では、支持率は34%と7月の前回調査から横ばいで政権発足後の最低水準が続く。首相は総裁選に向け新たな政策を打ち出すことで局面転換を図りたい考えだ。周辺は「課題とされる発信力やコミュニケーション力の改善こそカギになる。今からできることをやるしかない」と巻き返し策の検討を急ぐ構えだ。

 対抗馬に名乗りを上げた岸田文雄前政調会長は26日の記者会見で、党執行部の刷新など党改革を訴えの柱に掲げた。党役員に中堅・若手を登用し、党役員任期を1期1年で連続3期までに制限する案を提示。「権力の集中と惰性を防ぐ」とも語り、2016年8月から幹事長を務める二階俊博氏を暗に問題視してみせた。

続きを読む 2/2 党刷新案、裏に若手の思惑

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